この記事は
「金田一少年の事件簿」第5シリーズ第4話の感想です。
ネタバレあります。
はじめに
「金田一少年の事件簿R」からの映像化第2弾は「白蛇蔵殺人事件」でした。
1話完結で原作をどう料理してくれたのか。
感想です。
冒頭10分でメイントリックの手順を見せた手腕に感動
義兄弟の下りやトリックのあらましなど。
削れる部分は削って、スマートになっていたなというのが今回の印象でした。
特にトリックは、肝の部分こそしっかりと原作のママとし、大胆にアレンジ。
密室の要素を排除して、アリバイに絞り込んで魅せたことで、オープニングに入るまでに全ての謎を提示出来ていました。
オープニングに入るタイミングなんてそれこそ制作側の想いのままとはいえ、冒頭10分弱で第1の殺人まで描いて見せたのは見事。
僕はミステリの大事な要素は、トリックそのものよりも、謎の魅せ方にあると思っています。
ちんけなトリックでも、魅せ方が上手ければ驚けるんですよ。
今回もトリック自体は実に単純なのだけれど、単純故に魅せ方1つで面白くもつまらなくも出来る。
スマートな手順で「容疑者は1人しかいない」と視聴者に提示した上で、すぐさまその容疑者の死を見せて、視聴者を謎の底へ叩き落す。
この流れがとっても美しく魅力的で、原作の料理の仕方が上手いなと感じました。
(こう書くと原作の魅せ方が下手なのかと勘違いされそうですが、そうは思っておりません。)
だが。だがしかし。
ホラーに拘るという謳い文句はどこへ行ったとツッコミたいw
「ホラー」の謳い文句と逆行した演出
容疑者を尾行するハジメ達。
しかし、ハジメが大きな物音を立ててしまい、更には剣持をもやらかしてしまう。
緊張感が霧散するドリフのコントのような一幕から始まり、今回は結構コメディ的なシーンが散見されました。
バッグの持ち方を確かめる際の写真撮影も鏡花(りょうさん)のところでモデルの撮影会みたいにしたり。
特に笑ったのが、音松の部屋から美雪が写真を抱えて持ってきてたシーンね(笑
いつ拾ったんだよwww
不自然すぎて笑ったw
ここはなんで原作から変えたかな。
普通に推理の為にハジメが持ち出したことにすりゃ良かったのに。
事件のオチもそうね。
やりきれない虚しさを漂わせた原作の陰鬱さはそこにはなく、警察に捕まる際の鏡花のコミカルな表情で終わる。
うううん。
僕はコミカルなドラマ大好きだから、こういった方向性は支持したいけれど、あまりにも謳い文句とかけ離れすぎてて良いのかなとも思ったのです。
特にこの「白蛇蔵殺人事件」って後味の悪い陰鬱さが特徴でもあります。
そこを全部取っ払ったあげく、コミカルな演出を随所にばらまいたのは何故なのだろう。
否定はしないけれど、気にはなりました。
次回、初のオリジナル!!!
とタイトル見て一瞬思っちゃったじゃん。
公式サイト見たら、なんのことはない短編の「亡霊学校殺人事件」じゃないっすか。
なんでタイトル変えたんだろう?
そりゃトイレの花子さんが中心に来てるけど。
世界発信の為に分かりやすい「日本の怪談」要素をタイトルに入れたかったのかな…。