この記事は
【5代目道枝版】「金田一少年の事件簿」第8話の感想です。
ネタバレあります。
はじめに
5のTシャツは5代目を意識してのものだったのかな。
駆け足気味でしたが、要所を抑えたものになっていたのではないでしょうか。
ただ1点を除いては…。
感想です。
難役・猿彦
堂本版では飛彈地方で撮影が出来ないからと言う理由で「首狩り村殺人事件」とタイトルを変えていましたが、今回は何故変えたのでしょうね。
冒頭のバス停に「高山交通」と書かれていたので、飛騨地方を舞台にしてたと思われるのですが。
「飛彈からくり屋敷」より「首狩り武者」の方がインパクトデカいからでしょうか。
もしくは、配信を意識して外国では通じない「飛彈」を使うのを避けたのでしょうか。
ま、いっか。
今回の8話、個人的に一番良かった点は猿彦の配役でした。
キャラクターの性質上、小柄で細身で年配の役者さんでは無いと務まりません。
演じられた田鍋謙一郎さんは55歳で身長159cm。(wikipediaより引用)
体重も52kgとのこと。
全ての要素を完璧に満たしていて、今回に限らず今シリーズでも最もベストチョイスだったんじゃないでしょうか。
時間の関係上、猿彦が共犯者であることを事実として進められていた点が唯一の残念なところだったかな。
猿彦と赤沼(紫乃が仮装)が一緒に存在しているシーンが無かったため、「猿彦≠赤沼」という図式を示せなかったこと。
一本道の洞窟なのにハジメが背後から襲われたことが説明されなかった…など。
原作では猿彦が共犯者だった事実を推理した上で「では、真犯人は誰か」という展開を見せたのですが、丸々オミットされて「猿彦は共犯者である」こと前提での推理だったせいで、折角の猿彦の見せ場が削られてしまったのは残念だったなぁ。
でも、これは些細な点。
最も残念だったのは動機のドラマ。
これはあかんかなァ。
薄くなってしまった動機のドラマ
巽征丸。
「金田一少年」全話の中でもトップクラスに入る可哀そうな犠牲者。
前回の「金田一少年の殺人」や「悲恋湖伝説殺人事件」、「黒死蝶殺人事件」など「殺される理由が全く無い犠牲者」も多いのですが、その中でも征丸って「実の母と慕っていた相手に無慈悲にも殺されてしまった」点でグンと可哀そう度が跳ね上がる青年でした。
原作では、その点をハジメや美雪が指摘して「それなのにどうして虫けらのように殺せたんだ」と紫乃を糾弾します。
そこから紫乃は、巽綾子への恨みを語り、どうして征丸を殺すに至ったかを吐露するのですが…。
歪んだ憎悪で育ててきた「息子」を殺した動機。
ここがスッポリと抜け落ちていた為、「母の愛は…」なんて真逆のセリフを美雪が喋ることになってしまってました。
動機のドラマは、原作サイドが非常に大切に扱っている要素です。
紫乃を「可哀そうな犯人」に仕立てたかったのかもしれませんが、やはり無理筋ですよ。
原作通り異常性を見せつけることの方が今回に限っては正解だったと思うな。
時間の制約上、「どうして首を切り取ったのか」「赤沼の存在の真意は」などを含めて動機に関わる要素を排除せざるを得ず、結果的にこうなってしまったのでしょうけれど…。
こればっかりは仕方ないのかもですけれどね。
事件の要素こそ抑えていたけれど、必要な枝葉の部分を刈ってしまい、薄っぺらいドラマになってしまったことは否めないかな。
次回は!!
「金田一少年の事件簿」でググるとトップにHuluのサイトが表示されて、ご丁寧にも「最終回まで残り〇日」って表示されていますw
ということで、残り2回と確定してしまった第5シリーズ。
最後は「オペラ座館 ファントムの殺人」。
原作は初ドラマ化となる「オペラ座館・第三の殺人」
恐らく前後編でしょう。
やはり原作長編は前後編形式の方が見応えあって嬉しいなぁ。
楽しみです。