この記事は
「きんいろモザイク」の記事です。
きゅんいろモザイク!!
キャラクターを作る際のポイント
漫画やアニメのキャラクター。
キャラクターを作る際のポイントを考えてみました。
先ずは内面的な面から見てみると、何と言っても、特異性でしょうか。
他のキャラクターには無い特異点を作り、個々のキャラにアイデンティティを持たせる事。
特に萌え作品では内面の性格は整理され「キャラクターの記号化」と云われて久しいですが、定型化されてきた中にも、そのキャラ独自のスパイスが効いていればOKだと個人的には思っております。
何にせよ、特異性を持たせる事が何よりも重要でありますね。
外見的な特徴は、「銀魂」で銀さんも言ってました。
シルエットだけでキャラが見分けられる事。
これも内面的な面と同じで、要するにそのキャラ独自の特徴を持たせろという事ですね。
度々例に出しまくっている「DRAGON BALL」。その主人公である悟空。
彼にしっぽが付けられたのは、まさしくデザインの変遷の中で「パッと見の特徴」が良く現れていたからだったらしいです。
この時はまだ「サイヤ人」だったという設定は有る訳も無く、更にいえば「大猿に変身する」設定も無かったかもしれません。
デザインからキャラのバックボーンを膨らませて行った例とも言えそうです。
シルエットだけで、作品関係無く、キャラが見分けられるというのが最も理想的な形なのかもしれません。
さて。
現代劇で、かつ、学園ものという設定で作品を考えてみます。
すると、この手の作品に登場出来るキャラクターは、外見的な特徴が出しにくいんですよね。
少なくとも「シルエットだけでキャラクターを判別できる」事は難しい。
登場キャラが多ければ多い程。
服装は基本的に制服となり、全キャラ共通となるし、髪型も現実的に美容院・床屋で整えられる範囲となる。
悟空やサザエさんのような特徴的な髪型は、出来ない訳では無いけれど、出来にくい。
一作品内では見分けられても、複数の作品を並べてしまうと、シルエットでの区別は先ず無理となります。
だからこそ、髪型ではなく、髪の色に注目が集まったのかもしれませんね。
アニメや漫画では、色彩豊かな髪の色をしたキャラクターが当たり前のように出てきます。
赤、青、緑に黄色。ピンク、オレンジ、等々。
勿論黒髪や茶髪もあるけれど、現代日本を舞台とした生粋の日本人のキャラクターでも、カラフルな髪の色をしていても、それが「地毛」である体で描かれる事が多い。
シルエットだけで見分けるという理想は捨て、色を使って、キャラクターを区別する。
そういう意図が込められている物だと思っております。
ですが、そんな髪の色の区別を放棄した作品が今放送中です。
「きんいろモザイク」。
前置きが長くなりましたが、この作品の記事を一つ。
「きんモザ」の髪の色
タイトルからも示す通り、金髪である事が1つの象徴となっております。
同じ金髪でも、「地毛が金髪の日本人」というハーフか帰化した人にしか有り得ない様な子は出せないんですよね。
当然ピンクや青など、黒髪以外の日本人も出せない。
金髪のイギリス人であるアリスとカレンを立たせるための設定ですね。
他のキャラは皆現実的な日本人の髪色をしているんです。
忍は緑っぽく見えますが、濡れ羽色。別名・濡烏ですね。
引用しますと
濡烏(ぬれがらす・濡れ烏)とは、女性の髪の色彩を形容する言葉。また、その髪のもつ黒の色名。
日本人女性の理想美であり、もっと一般的には烏羽色、濡れ羽色、烏の濡れ羽色とも言う。
青みを帯びた黒を指す。
という事で、日本人の髪色と断言できる。
綾も青みがかっているけれど、黒髪と見做せそうです。
問題は陽子ですね。
ちょっと赤っぽい茶色。
彼女に関しては染めていると考えてみたいんですが、調べてみたら、地毛なのですね。
陽子だけは例外なのかもしれません。
一見するとカラフルな感じであり、実際見た目的には十分に「髪の色の区別」を用いている。
ただ、この作品に限ってはそれ以上に別の部分で、差異が描かれていると見ました。
髪の色でキャラクターを区別しているのではなくて、服装で区別しているんですね。
服装だけでキャラを見分ける
学園ものは服装が制服で統一されると先に書きました。
実際、多くの学園ものはそうですね。
リボンや靴の色なんかで学年や学科を区分けするという、現実の学校でも一般的に取り入れられている設定を取り入れた作品は多くありますけれど、基本的な制服のデザインは作品毎に統一されています。
「きんモザ」もそうですね。
基本的な制服は一緒なんだけれど、キャラごとに着こなし方が違うから、違って見える。
金髪コンビは実際にちょっと違いますけれど。
んで、この事を特に強く感じたのが、この写真を見た時です。
このアニメのメイン声優5人で結成された「Rhodanthe*」。
僕はこの5人の声優さんの顔と名前を一致させる事が出来ませんでした。
恥ずかしながら、声優にはそんなに詳しい訳では無いので知らなかったんです。
でも、よくよく見ると、ちゃんと誰が何の役をされているのかは分かるんですよね。
分かりやすい所から行くと、金髪コンビですね。
左から2番目の声優さん(田中真奈美さん)がアリス役。
ピンクのカーディガンといえば、アリスです。
次に右から2番目のかのん100%(東山奈央さん)がカレン役。
イギリスの国旗ユニオンジャック模様のパーカーは、カレンを象徴するアイテムです。
残り3人に関しても、やっぱり服装で見分けが付く。
左から綾(種田梨沙さん)、忍(西明日香さん)、陽子(内山夕実さん)。
名前は存じていても、顔までは知らなかった声優さんも居ます。
そんな声優さん達のコスプレ姿を見るだけで、誰が何の役をされているのかが分かる。
翻して、メインキャラクターの見分けが服装だけで出来るようになっているという事ですね。
皆、同じはずの制服を着ているのに…です。
少しずつ差異を付けて描いているから、服装だけで見分けが付く。
有り触れた描写なのかもしれませんが、妙に面白いなと思った瞬間でした。
陽子の髪色に関して
少しだけ、陽子の髪色に関して書いてみます。
彼女だけが特徴的な…(欧米人の血が混じってないという意味で)生粋の日本人には有り得ない髪色をしているのは何故なのか。
何故も何も、髪色でキャラを描き分けているからなのでしょうけれど、それ以外の意味を邪推。
すると、イギリス人と赤毛の事が思い浮かびました。
嫌な話ですが、昔からイギリス人は赤毛の人に対して根強い偏見を持っていたと言われています。
そういう因習をアリスやカレンが持っているとは言いません。
いや、はっきりと持ってないと言って良いと思う。
だから、アリス達がどうこうという話では無くて、もっと客観的な話。
赤毛に偏見を持つ(と云われる)イギリス人が赤毛の少女と屈託なく笑いあっている。
その絵面が人種差別のような下らない感情・因習を捨てた平和的・理想的な形に見える…かもしれない。
人種を超えて、友達になっているという事を表現する為に陽子の髪が赤毛になった訳は無いね。
終わりに
最後訳分からんことを書きましたが…。
制服と言う制限がある中でも、着こなしやちょっとした違いでキャラクターの差異を表現する。
それが巧く嵌った作品だな〜と「きんモザ」を見ていて思う次第です。