福田監督はくどいというレッテル貼り
「HK 変態仮面」は最高だった。
鈴木亮平さんのハリウッド俳優並の肉体改造が功を奏したのもありますが、誰もが実写化不可能とさえ思っていた変態仮面を忠実に完璧に再現されていたので。
滅茶苦茶格好良いヒーロー声で「それは私のおいなりさんだ」の名ゼリフを言ってくれただけで大満足なのに、数々の変態秘奥義まで披露してくれて。
ちょっと2作目でパワーダウンしてしまった感は否めないのですが、実写化としてはトップクラスに面白い作品だったと思います。
「銀魂」も実写化としては優秀な部類だったんですよね。
コスプレにならないギリギリの境界線でキャラクターを再現しつつ、見応え抜群のアクション満載のエンタメ活劇に仕上げてくれていましたので。
ただ、1つ不満だったのが笑いについて。
福田監督の演出の特徴であるクドさが悪目立ちしてしまって、個人的には全然笑えなかったんです。
CDTVのパロなどアニメ版のギャグを取り入れるという判断は如何だったのかなと。
笑いに関しては、アニメ版の方が無茶苦茶やっていた分、見劣りしてしまった感がありました。
僕は福田監督作品は、この程度しか見てませんが、4本を見た印象を纏めると以下のような感じです。
漫画の世界観を再現する手腕は、現状1,2を争っていると思います。
どんなに漫画チックなものであれ、見事なまでに映像化してくれます。
さらに脚本も丁寧で、原作を大事にしてくれます。
ほぼオリジナルだった「HK」も「変態仮面見てる」感が強かったのです。
原作準拠の「銀魂」は、それはもう素晴らしかった。
本歌取りをしっかりとして、映画の尺に綺麗に落とし込まれていました。
映像の方でも、殺陣の見せ方は「コメディの監督」とは言えない迫力ですよね。
殺陣師が上手いというのもあるのでしょうけれど、撮り方・見せ方の勝利なのかなと。
で、ギャグがくどい(笑
ムロツヨシさん、 佐藤二朗さん、安田顕さんの福田組の濃いメンツが暴れまくるw
もういいよ、胃もたれするよ~って感じになります。
ここで結構好き嫌い別れる気がします。
(安田顕さんは、「下町ロケット」の演技の方が好きです)
ちょっとギャグ面で食傷気味だったので、ギャグが強いと言われる本作に期待が持てていなかったのです。
という感じで、やっと本作の話に繫げられました。
全部良かった
実の所、原作未読です。
それどころか西森博之先生の漫画全て未読です。
アニメの「天使な小生意気」を見てただけなのです。
なので、原作と比較してどうこうとかは言えないのですけれど、とっても良かった。
先ず、ドラマの時代設定をしっかりと80年代にしていたところが良いですよね。
実写ドラマだと現代を舞台にするなど簡単に原作の設定を蔑ろ(言い方悪いなぁ)にしますよね。
それでも成り立つものもあるでしょうけれど、この作品でそれやっちゃってたら、多分失敗してた。
現代でヤンキーはねぇ。
流石に無理がありますし、じゃあ、ヤンキーという設定自体を現代風にしちゃったら、もう完全に別作品。
オリジナルでもやってろってなりますから。
基本の設定をちゃんと原作通りにしつつ、アクションは流石の迫力でした。
特に最終回の三橋vs月川が好き。
ソファー使った回し蹴りまでの流れが溜息もの。
絶頂期のジャッキーアクションを見てるような感覚に陥るんです。
くどい笑いについても、癖になってました。
第5話の病室に於ける佐藤さんとムロツヨシさんの絡みが最高でした。
普段ボケの佐藤さんがツッコミに回らざるを得ない状況に陥っていて、そこが笑えるw
(三橋と会話してる時とかも振り回されていて面白い)
脚本と被りますが、ストーリー構成も良かったです。
基本1話完結の態を取っていたので、気軽に見れる。
1話で出てきた月川も、結局出て来ないのかなと思ったら、最終回でちゃんと出て来て、全体の構成もしっかりしていました。
全ての要素が良くて、最高でした。
で、キャストですよね、キャスト。
これも良かった。
俳優4人が良すぎた。
三橋役は賀来賢人さん。
「ちはやふる -結び-」で周防久志役で知りました。
嵌り役だったんですよ、はい。
何考えてるか分からないある種不気味なところと惚けたところ。
捉えどころのない周防を見事に演じていて、上手い俳優さんだなという印象を持っていました。
その時のイメージと三橋とはあまりにもかけ離れていて、暫く同一人物だと気付きませんでした。
1話の時の変顔が強すぎたw
全然キャラの違う役を見事なまでに熟していて、改めて凄い役者さんだなと。
兎も角ですね、賀来さんの三橋はとっても良かったです。
ギャグとマジ演技を両立できる役者さんじゃないと務まらないですからね。
伊藤健太郎さんは、ファンの方ごめんなさい。
初めて知りました。
あまりにもイケメンすぎる。
爽やかな感じが伊藤の「人の良さ」を引き立てていて、やっぱり良かった。
髪下してる時のシーンをもう少し見たかったかなw
主人公コンビ嵌ってた。
そして!!
そして!!!!!
今井役の太賀さんと谷川役の矢本悠馬さんが大好きだ~~~~!!!
この2人面白すぎるでしょう。
矢本さんは、やはり実写「ちはやふる」シリーズで知りました。
肉まん君が嵌り役でしたね。
原作のように太ってる訳じゃないのに、ちゃんと肉まん君してた。
彼のコメディ演技は一品で、映画でゲラゲラ笑えました。
そんな才能をツッコミの谷川役でも発揮。
太賀さんは、すみませ~~ん。
ドラマ見ない人間なので、今作で知りました。
なんなのあの面白さ。
顔芸出来て、腹芸で楽しませてくれて、徹底的にちょろいのに決めるところは決めて来る。
今井というキャラクターをこれでもかってくらいに魅せてくれる。
最高だね。
このコンビが脇をがっしりと固めてくれていたので、より楽しく視聴出来ました。
終わりに
原作のストック(という言い方は正しい?)はあるんでしょうか。
あるなら是非2期を。
東スポではシリーズ化・映画化も内定してる的な記事を出してましたが、実現して欲しいですね。