「負けヒロインが多すぎる!」第2巻感想

この記事は

「負けヒロインが多すぎる!」第2巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

本編の感想で触れたくないので、ここに書きます。
温水君が「友達だと思っていた相手が、こっちを友達と思ってなかったら、凄く恥ずかしい」と言ってましたが、分かるわぁ。超わかる。

小学生の頃大分拗らせていた僕は、同じように考えていて、大惨事にあったことがあります。
そう。あれは6年生の時。
友達のK君が利き腕を骨折してしまい、クラス会議で彼の学校のお世話係を決めることになりました。

担任の先生が言います。
「誰かK君をサポートしてくれる子はいないか?」
ざわざわしだすクラス。
そこかしこから僕に対して「おい。お前がやれよ」という声が。
そうです。
クラス中にK君と僕が最も仲が良いと知れている中、しかし、僕は手を挙げるのを怖がっていました。
僕は彼を友達だと思っているけれど、Kは僕をどう思っているんだろうか…。
僕がそうして逡巡してる中、クラスの温度はどんどん下がっていき、やがて別の男子が立候補しました。
針のむしろな僕。
クラス中から冷たい視線を浴び、言葉で責められ…挙句K君からは「友達だと思ってたのに」の一言。

ハッキリ言います。
相手がどう思っているのかなんて考えるな。
1度一緒に遊べば友達だ。
胸を張って僕はあいつの友達だと思っていよう。

感想書きます。

感想

1巻の感想で「告白して振られてこそ負けヒロイン」と書いておいて、それをしてない檸檬を「一番好きな負けヒロイン」としてました。
見た目やキャラクターばかりに目が言って、肝心のドラマに目が行ってない。
だから、こういう頓珍漢な感想を書いちゃうんでしょうね。反省。

だけれど、今回はちゃんと言えるよ。
檸檬が負けヒロインで一番好きだと。

1巻で唯一告白から振られるまでを経験しなかった檸檬が振られるお話。

男女の恋と友情の問題。
これは正しい答えが無い難しい問題よなぁ。
経験したこと無いから迂闊なことは言えないけれど、檸檬の考え方も杏菜の考え方もアリでしょ。
杏菜の考え方は、好きな人を強引に取るような行動を実践してしまったらダメだけれどさ、ただ思う分にはセーフだと思うんよ。

ただ、「どちらがいい子か」と言えば、まぁ、檸檬になる。
純真無垢な彼女の考えは、単純に可愛いなぁと感じます。

とはいえ、繰り返すようですが、杏菜の考えもアリ。
だからこそ、落としどころも納得。

説得したり、説教するような事じゃないもんね。
「檸檬が正しい」と断言しちゃうのも違う。
杏菜の否定も勿論違う。
温水君は、否定も肯定もせずに、黙って檸檬を泣かせておく。
その上で、「友達の話」として、杏菜のことを引き合いに出して、しかし、杏菜を否定はせずに「杏菜と比べれば檸檬の方が良い子」という敢えて論点をずらしてみせる。
最後には、綾野と朝雲、それぞれとしっかりと「話し合い」をさせて、檸檬の恋の終わりを示す。

朝雲と女の子同士の友情を築きつつ、綾野とは以前のままの関係に戻る。
青春ラブコメらしい爽やかな決着はご愛敬。
檸檬がどこまでも純真な子だったから、そういう関係を築けたのだという一定の説得力もありますし、多少現実味に欠いても問題なしですね。

 

檸檬を中心に置きつつも、彼女と異なる考え方から行動を起こす杏菜のキャラも立たせ、かつ、「ヒーロー過ぎない主人公」こと「そっと背中を押す系男子」としての温水君の面目躍如な活躍も光ったお話だったと感じました。

第3巻は?

今回はあまり出番の無かった知花が中心かな?
それとも布石だけばらまいていた夢子先輩の出番か?
どう展開するか、期待しつつ次巻を待ちます。

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