「負けヒロインが多すぎる!」第4巻感想 今までにない「負けヒロイン像」に感服した

この記事は

「負けヒロインが多すぎる!」第4巻の感想です。
ネタバレしてます。

はじめに

3人の負けヒロインのお当番回が一周して、果たして4巻はどうなるんだろうと思っていたら、まさかの志喜屋夢子メイン。
なんか凄く意外なところからヒロインが飛び出してきて困惑しています。
そっか…イロモノ枠じゃなかったのか…。

いや、まてよ。
そもそも杏菜からしてイロモノ枠なのでは?
目出度く恋愛成就出来ない”メインヒロイン”達の枠組みから敢えて外しているのだから、当たり前っちゃ当たり前…なのか…?
深いな。マケイン論。

感想

ところで温水君は「二人合わせてハタチだから、いますぐお嫁にいけますよ?」を返してもらえたのかしら?
おじさん、そこが気になります。

さておき、結構ジェンダーを意識したようなやや複雑な展開でした。
志喜屋さんは百合趣味なのか、それともノンケなのか?
はたまた…。
何を考えているのか分かりにくい不思議系少女なので、その辺も上手くぼかしつつ、これまでにない「負けヒロイン像」を打ち立ててきましたね。

普通に男子に恋愛面で玉砕したでは、あまりにも芸がありません。
上手にバラエティに富まないと、物語としても幅が広がらないし、キャラとしても立たせにくい。
これまでも意識的に軸をずらしてきてましたけれど、今回は大きく外してきました。
ヒロインの意外性もそうでしたが、物語の意外性も今までで一番でした。

先にも書いたように、不思議系少女ならではというか。
「真意がどこにあるのか読みにくい」というキャラの特性を活かして、古都への気持ちが羨望なのか憧憬なのか、それとも恋慕なのか。
キスをしたのだから恋だろうと早急に決めつけられないあやふやな状況があり、さりとて、古都には既に想い人がいるのだから恋愛における「負け」とも解釈も可能で。
この辺の描き方が絶妙でしたね。
「古都に彼氏が出来た」というのを恋愛感情抜きでの「古都にとって一番大切な人」というステータスを奪われたという考え方も出来るし、単純に失恋とも取れるし。
温水君へ向ける気持ち自体もはっきりとしてないから、余計に曖昧でどっちでも解釈可能なんですよね。

いづれにしても何かしらの「負けヒロイン」とも呼べるので、きっちりと今作のテーマの枠組みに当てはめてきてるのが上手い。
今後もこういった感じで様々な負けヒロイン像を描いてくださると、より面白くなっていきそうです。

終わりに

そんな中、正当なヒロイン像を突っ走ってくれたのがティアラさん。
チョロインも可愛いよね。
今回は狂言回し的な立ち位置に比重が置かれてしまってましたけれど、果敢に温水君ルートを突き進んで欲しいw

いや、もしかしたら、ただ単に腐女子枠に収まっただけなのかもですけれど(汗

最新情報をチェックしよう!