「メアリと魔女の花」 感想

この記事は

「メアリと魔女の花」の感想記事です。
ネタバレあります。

見て来た。

レイトショーで見てきました。
ジブリ出身の米林宏昌監督が「ジブリで培ったモノ」を注ぎ込んで作ったような作品でした。
ネタバレありで感想を書かせてもらいます。

今回からFOXISMさんの評点CSSを使用させて頂きます。
www.foxism.jp

あらすじ

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夏休みの暮れ。
メアリはお婆さんの家に引っ越してきた。
両親より先に越して来たメアリはやることも無く、暇を弄んでいた。
ある日のこと、黒猫の誘いに乗って森の中に入ったメアリは、そこで綺麗な花を見つける。
花の名は「夜間飛行」。
かつて魔女も欲したと言われる「魔女の花」であった。
その夜から、メアリの不思議な冒険が始まる。

総評

作画
5.0
脚本
4.0
音楽
2.5
キャスト
3.5
総評
4.0

それぞれを細かく見ていきます。

作画

ジブリ出身のスタッフ達が集結してるので、先ずキャラクターデザインがジブリジブリしてます。
これは僕の友達も「ジブリの映画」と認識してるくらいだったので、多くの方がメアリの顔を見ただけでジブリを想起するんじゃないでしょうか。

背景の美しさ、動画の滑らかさ、作画の綺麗さ。
どれをとっても申し分のないレベルであり、安心して見る事が出来ます。

脚本

老若男女楽しめる脚本であったと思います。
導入部からアクション多めで見せて、猫を上手に使った起。魔法の箒でズンズン物語を進める承。
魔法大学で持て囃されたメアリだが、ちょっとしたことで魔女で無い事がバレ、窮地に追いやられる転。
ピーターを救う為に勇気を振り絞って冒険に出るメアリを描いた結。

最小限の登場人物を上手に配置し、キャラ立てをして、物語に起承転結を齎す。
盛り上がる所をしっかりと作って、ちゃんと物語に落としどころを作ると。
長編作品として脚本がしっかりと推敲されていることが窺えて、見所と優しさのある作りになっていたと感じました。

監督がメッセージに込めた「これからの時代を生きていく子どもたち、20世紀の魔法がもはや通じない世界で生きる僕たち自身の物語」という部分。
ラストで「最後の夜間飛行」をもう必要ないと捨て去ったメアリの行動に如実に現れていたんじゃないでしょうか。
メアリは魔法から勇気を貰った。自信を貰った。
それだけで、あとは自分の力で生きていくという覚悟を持ったのかなと解釈しました。

魔法は便利なものであるけれど、万能なんかじゃない。
そんなものに頼っているとおかしくなるという実例を体験した。
自分の手で自分の足で力強く生きていく。
元気いっぱいのメアリらしい思い切った選択に思えました。

音楽

正直言うと、全く印象に残っていません。
それほど作品の雰囲気にあっていた…と良い様に捉えておきます。
音楽が邪魔になることはありませんし、逆に感動を喚起するようなこともなく。

キャスト

主要キャストに芸能人をずらっと起用しているので、決して上手くはありません。
けれど、芸能人特有の演技を残しつつも、棒読みで無い分キャストでマイナスの印象を抱くことはありませんでした。

総評

アニメ感想ブログならば、演出についても私見を述べるべきなのでしょうけれど、いかんせん、僕は門外漢中の門外漢。
演出を語るだけの知識を有していませんので、割愛させてもらいます。

全体的に中の上という評価で纏めてみました。
ジブリが好きならばオススメできます。
ただ、想定外のイベントが起こる訳ではない王道のプロットとなっていますので、そういうのを求める人にはやや退屈に映るかもしれません。

個人的には、もっと退屈な作品を想定していたので、楽しめました。
メアリとエンドア大学の対立構造まで、すんなりと話が運んでいたのも好印象です。
決して「戦っている」のではないという対立構造もマダム達の落としどころも童話のような優しさに満ちていたなと。

「どんな魔法も使える」人間が「全ての魔法を打ち消す」という結末は、魔法という便利さに対する見事なアンチテーゼになっていて、テーマ的にもすっきりとしていたと感じます。

メアリ登場数分で「元気で健気な女の子」というキャラが立った瞬間に、僕の中では「この映画は当たりだな」という評価でしたw

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