「凪のあすから」 オープニングの赤い傘が示唆する恋の結末

はじめに

2クール目以降の「凪のあすから」が楽しくて仕方ないのですが、第21話でようやくオープニング映像が「完成」したのかもですね。
と、語弊を生むかもなので一応書いておきますが、「オープニングの製作が遅れていたのか〜」という解釈はしてません…。
「完成」という言葉が不適切ですね。ごめんなさい。
バージョン違いとでも云うのかな。
新規カットが挿入されて、いよいよ物語も大詰め感が漂ってまいりました。

そんなオープニング映像を中心にした僕なりの解釈を今回は綴ってみます。

オープニング映像の中の赤い傘

20話までのオープニング映像を振り返ってみます。
タイトルバックを背に海辺に佇む光達主要キャラ。
堤防の上に立つ美海が持っていた赤い傘が風に煽られて飛んで行ってしまいます。

オープニングの最後、恐らく同じ傘でしょう。
赤い傘が空から降って来て、誰かがキャッチするところで終わります。
誰が取ったのかは分からない描かれ方でした。

21話からの新バージョンでは、この赤い傘をまなかがキャッチ。
此処で漸く誰が傘を手に取ったのかが判明しました。

まなかが奪われたモノ

続いて21話本編に言及していきます。
正直20話ラストの衝撃の展開にはあっと驚かされました。
美海が「キスして」の言葉に慌てふためく際の表情とか仕草とか可愛すぎて何度も見直したり。
唐突に起きたまなかの「うぇ」が可愛くて仕方なくて何度も見直したり。
…すんません。展開どうこうよりこのシーンのヒロイン2人に見惚れてました…。

閑話休題。
兎に角唐突に目覚めたまなかですけれど、光達とは明らかに違いますよね。
冬眠についた経緯も異なるし、発見された場所も異質。
エナまで失われているという状態で、明確に「差」が表現されてます。
更に21話では「何者かに何かを奪われてしまった」事も示唆されていました。

確かに目覚めたまなかには違和感を覚えたんですよね。
何か違うな〜って。
で、どう見ても誰が見てもおかしいのは「恋愛」絡みのリアクションが欠落している点。

「(晃から)随分好かれたな」と光に言われても意味を理解できない様な様子を見せる。
好きな人である紡に会う事を頬を染める風も無く”自然に”断る。
あかりが晃に火傷しないよう処置している様を眺めてる時も泰然としている。
母が子に注ぐ愛情表現をまるで理解していないかのような「何慌ててるんだろう」的な瞳で見つめていた。

誰が見ても「恋愛感情」を奪われてしまったんだろうなと予測が立ちます。

ここは紡とちさきのイチャイチャシーンと上手い具合に対比されていましたね。
今回分かり易い程分かり易く紡がちさきに愛情をアピールしてました。
要の目覚めに対して、彼もようやく本腰を入れてちさきを取りに行ったのかもですね。
アクセルを吹かしてます。
この紡にとっての猛アタックに、ちさきも感じる部分があったのか、頬を染めつつもいなすかのごとく対処してました。
恐らくちさきも紡の気持ちには察していて、けれど光を想う心もあって、微妙な態度を取ってしまっている。
そんな風な印象を受けました。

恋愛に対してちさきも分かり易いリアクションは取っていないものの、理解している様は見て取れるんです。
けれど、まなかにはその節さえ見受けられない。
まなかの中の恋愛感情が失われた様が此処からも見て取れました。

独占欲の塊なうみがみ様

奪われたのが恋愛感情というのは、うみがみ様とおじょし様の伝説から考えても納得出来る事です。
勇が語った伝説のその後。
うみがみ様の失恋譚。

地上の男に恋したおじょし様の心を自分の元に置こうと八方手を突くしたうみがみ様。
しかし、男を忘れられないおじょし様の心は戻らず、万策尽きたうみがみ様はおじょし様から「あるもの」を奪って地上に帰した。

という悲しい物語。
ちさきはこの話の中に出て来た「奪われたモノ」をエナではないかと推理して、光に聞かせてました。

この話からは、うみがみ様は愛情に飢えていた事が想像出来て、となると、おふねひきの時にまなかが奪われたのは「愛情」だったというのも頷けます。
自分の元に繋ぎ止めるべく、欲していた「自分への愛情」をまなかに求め、それを奪い取った。

では何故まなかのエナが消えたかと言えば、光達が「おじょしさまの身代わりとなっていたまなか」を再び地上に戻そうとしたから。
ちさきの推理はきっと的を射ていて、自分から離れていくまなかから今度はエナを奪った。
かつておじょし様から奪ったのと同じように。

おじょし様とまなかの相違点は、「恋愛感情」の在り処だけですね。
おじょし様は、うみがみ様に恋愛を奪わせなかった。頑なに拒んだ。
けれど、まなかは差し出してしまった。
共に陸の男に恋をした2人の女性の違いですね。

目覚めたまなかが恋愛感情を欠損しているのは、これまでの経緯を見ても納得出来るんですよね。

赤い傘から物語を予測する

今後の予測を最後に。
他愛も無い誰もが思い描く未来ですけれど、まなかが無くした恋愛感情を取り戻す事は確実ですよね。
ただその後は不明。
光を射止めるのは誰なのか。
まなかなのか、ちさきなのか、美海なのか。

個人的な予想というか妄想というか願望なのですが、まなかと美海が光を巡って恋のライバルになった時点で決着は描かれずに終わるんではないかなとか考えてたりします。

1つ説得力に欠ける話をしてみます。
オープニングに出て来た赤い傘。
何の暗示なんだろうかと。

恋愛なのかなと思って、そうであってくれたら良いなという願望を込めてググってみました。
求めた答えには辿り着かなかったんですが1つだけ似たような…こじつけられそうなものに辿り着けました。
夢診断の1つらしいのですけれど、「赤い傘」は「波瀾万丈な危険な恋愛」を示唆しているんだとか。
こじつけるには持って来いの回答ですw

オープニングに話を戻します。
赤い傘の行方を追っていくと、美海の手にあった傘は風に煽られ宙を舞ってまなかの手に渡ります。
赤い傘が恋愛感情を表しているのだとしたら、そのまま美海からまなかに恋愛感情が渡されるという事になります。
恋愛感情を失ったまなかが恋愛感情を取り戻すとしたら、それは美海が齎すのかなと。

ならば美海がエナを得たのもこの為の前ぶりなのかもです。
美海がエナを得たのは、海の男である光に恋をしたからだと考えられます。
陸の男に恋をした事でエナを失ったおじょし様やまなかとは逆のパターン。
海の男を愛したからうみがみ様から寵愛を受けて、その証としてエナを得た。

要が好きなさゆがエナを持てないのは、何か小難しい条件があるんでしょう(適当)
汐猪生の血を半分以上受け継いでいる必要がある…とか。
思い付きですけれど、これなら一応紡の件にも納得できます。

余談ですが紡が呪われたのは、海の女であるちさきに恋愛感情を持ったからなのかもですね。
こんなところからも「海の女」を自分のモノにしたいうみがみ様の妄執的な独占欲が窺えそうです。

とまあ、まなかに恋愛感情を思い出させるのは美海の役目だと思いますし、でも、一筋縄でいかない事も暗示しているのではないかな。
なんの波乱も無く簡単に取り戻させるならば、美海からまなかに傘を手渡しすれば済む事です。
そういう描写で問題無いし、それが自然。

オープニングはそうではなく、「風に煽られ宙を舞う」というある意味余計なシチュエーションが挟まってます。
この部分に「波乱万丈」という意味合いが込められているのかなと。
すんなりと恋愛感情を取り戻せず、紆余曲折があるんですよという表現。

色々あってまなかは恋愛感情を取り戻す。
ではでは、誰が光と結ばれるのか。
これもオープニングから解釈してみます。

傘って、夢占い以前にあいあい傘など恋愛を象徴するアイテムとして好んで使われています。
オープニングで傘を差す2人の少女ともに”1人で”傘に入ってます。
この場に光は入ってない。
だから、光の恋愛は決着つかずに終わるんじゃないかなと思った次第です。

終わりに

長くなりましたが、ここら辺で終わります。
いよいよクライマックスに突入する本作ですが、最後まで楽しんでいきたいです♪

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