はじめに
次の更新では19年冬アニメの総括になりますが、その前に個人的に「今期NO.1」だった「ネバラン」の感想を。
素晴らしかった。
本当に面白かったです。
血沸き肉躍った最高の1クールだった
「ノイタミナ」の「いつもの放送時間」って一体何時何分なのだろうという疑問を毎回持ちつつの視聴ではありましたが、そんな些細なツッコミを忘れるくらい夢中になって1クール見続ける事が出来ました。
原作ファンとして、「ジャンプ」本誌で初読をし、コミックスで再読している本作。
何が起こるか分かっているお化け屋敷に入り、全ての驚かしポイントで絶叫を挙げて、冷や汗ダラダラ流しながら「恐かったねぇ」と泣きながら出てくるみたいな。
原作未読の視聴者と同じ位には目一杯楽しみ尽くしたと自負しております。
元々ストーリーが抜群に面白いのは間違いないんですよ。
超人的な身体能力も超常的な能力も持たない少女達が知恵を絞り、勇気と努力と友情で監獄から脱出をする。
一見すると「ジャンプらしくない作風」ではあるのですが、しっかりと「ジャンプ」の気風が根底に流れていて、王道。
逆境からの逆転劇を「ジャンプらしくないスピード感」を以て描く。
全3部からなる「ネバラン」、その第1部の最大のポイントは「鬼のいぬ間に」だと思っています。
人喰い鬼達は、エマ達最大の敵でありますが、この1部に於いては出番が皆無です。
エマ達にとっては心理的な脅威になっていましたが、あくまでも「仮想上の敵」。
「鬼に追われる事はほぼ無い」という状況を敢えて作り出した上で、ラスボスをイザベラに設定。
知略・策謀に長けたイザベラは、十分にエバ達の壁となり立ちはだかりました。
人間VS人間という中での「頭脳戦ありき」にした点が、面白さに拍車をかけていた要因だなと。
肉体でも頭脳でも敵わないからこそ、「どうやって逃げるのだろうか」というギリギリの駆け引きが緊張感を生み、興味を引っ張ってくれました。
物語が元々持っていた駆け引きの中の緊張感。
これをアニメでは最大限まで高めてくれていたと思います。
演出の力ですよね。
効果的に音を使って。
カット割りを工夫して。
手に汗握り、先が気になるよう作られていて。
物語を知っている僕すら「先が気になる」ワクワク感を覚えたのですから、異常ですよ。
作中に引きずり込まれる感覚を久方振りに味わいました。
と中身の無い言葉で飾り立てるばかりで、深いことを言えないのは僕の勉強不足で、表現力不足。
演出について、しっかりと説明出来る力があれば、具体的にどう凄かったのかを書けるのに…。
悔しいので、声優さんについて書きます(ぇ
拝啓真礼様
言いたい事から言うと、「内田真礼さんスゲェ」ですね。
天才かよ。
今までの彼女のイメージは「美少女」でした。
ルックスも勿論可愛い系ですけれど、ここでは声のイメージですね。
年下系の小さな女の子を得意にしている印象があります。
可愛らしく、どこまでも可愛らしく。
だからこそ、驚きがありました。
今まで聞いてきた内田さんの声とはまるで違う声。
どこか可愛らしさが覗くこともあるんですが、基本的にはまごうことなき少年声。
声優さんの、内田さんの凄さを実感したのです。
そんな内田さん演じるノーマンの。
いや。
内田さんの最大の名シーンは、第10話。
ノーマンがエマとレイに抱き着いて、別れを告げるシーン。
一言一言噛みしめるように。
感情を凝縮して、静かに、熱を込めて想いを告げる。
「楽しかった」
「嬉しかった」
「幸せだった」
鳥肌が立ちました。
ここ一番で最高の演技を魅せて下さいました。
第10話。
ノーマンの最後は、脚本も盛り上げてくれていました。
コミックスのおまけ(だったか増刊のおまけ漫画)での幼少時代のほのぼの糸電話エピソードを追加してくるとは…。
この脚色は卑怯だわぁ。
あまりにも自然に組み込まれていて、しかも別れを一層悲劇的に魅せてくる。
ほのぼのしてる分、残酷極まる現在の3人の立ち位置がより辛く見えるような仕掛けで、憎い程原作の扱いが上手いです。
そんな素晴らしい脚本に。
シリーズ全体を緊張感で包んだ名演出に。
決して負けない確かな存在感をキャラクターに吹き込んでくれたキャスト陣。
僕は中でも内田さんの好演に惹かれました。
終わりに
原作がクライマックスに入っているので、なんとなく第2期は既定路線かなと思っていました。
とはいえ、実際に発表されると飛び跳ねたくなるほど嬉しいものですね。
第2期は、原作第2部が映像化されると予測されます。
いよいよ鬼の世界に出たエマ達の必死の冒険劇。
このスタッフ・キャスト陣ならば最高の映像を再び魅せて下さると信じております。
来年の第2期を心待ちにしております。