この記事は
「約束のネバーランド」実写映画の感想です。
ネタバレあります。
はじめに
僕は文句を言うために劇場に足を運んでいるのだろうか。
上映中、どこを腐してやろうかという目線を持っていることを自覚して、自己嫌悪に陥りました。
本当に最低の鑑賞姿勢ですね。
それはそれとして反省して、思ったことを書きます。
キャスティング
エマ、20歳。
ノーマン、18歳。
レイ、14歳。
役者さんの現在の年齢です。
エマたちの年齢が原作より引き上げられていることは、賛否あるかもしれませんけれど、個人的には英断であったと考えます。
これはかつて日本テレビ系列で放送された「地獄先生ぬ~べ~」もそうですね。(あのドラマ自体は黒歴史だけれど)
特に子供の年齢を原作より上に設定することは、仕方ないという側面は絶対にあります。
一部の芸達者の子役を除き、しっかりとした演技を出来る子役を集めるのは不可能に近い。
それであれば、集めやすい年齢に引き上げるのは自然なのでしょう。
さて、レイ役です。
彼自身の演技が拙いなどと偉そうなことは言いません。
演技力については横に置いておいて、僕には彼は未だ変声期を迎えてないように感じました。
それ故、ただでさえ最年少の中で、一層1人だけ「子供」感が強く出てしまっていました。
特に怒鳴ったり、大声を出しているシーンでは、高音が強く感じられ、迫力に欠如していたのは頂けませんでした。
原作のレイの年齢からすれば、むしろそうあるべきなのかもしれません。
けれど、お芝居の上では、しっかりと低音で喋ることのできる人選が相応しかったのではないでしょうか。
わざわざ設定上の年齢を引き上げた割には、中学生の役者さんを起用するというヘンテコなキャスティングであったと思った次第。
逆にピッタリだと感じたのはノーマンですね。
落ち着いた物腰に中世的な声と原作の再現度が非常に高かった。
レイとは異なり、年齢を引き上げた効果が存分に出ていました。
日本人だけではなく、様々な人種の子役を集められていたり、原作を何とか再現してやろうという気概は、見受けれましたね。
エマの耳は何故傷ついた?
シナリオは、約120分の中で、あまり駆け足に感じさせずに大事な部分の取捨選択が概ね出来ていたと思います。
淡々と進んでいくので、やや退屈感は否めませんでしたが、火事のシーンの種明かしの爽快感は抜群でしたね。
それだけに詰めが甘いなと思ったこともあって、それがエマの耳の怪我。
原作では、エマがまだ燃え盛るハウス内にいると誤解させるために、発信機ごと左耳を切除して隠しておくというシーンがありました。
しかし、映画では当該シーンは無く、それなのにレイ同様に左耳を怪我したエマという不思議な状況が出来上がっていました。
シナリオでは存在したけれど、編集の際にバッサリ切ったのか。はたまた練りこみ不足なのか。
細かいところで整合性を欠いたことで、「原作好きじゃないよね」という猜疑心を持ってしまいました。
本当、自分は厄介なファンだと思うよ。
(僕自身も読み返すことなく感想を書いたりして、原作と隔離した感想を書くこともあるのに。)
終わりに
コニーの死体の描き方が、凄くリアルだった。
あの感じで、全体をもっともっとホラーテイストで仕上げてくれた方が良かったのに。
足を持ち上げただけなのに折っちゃいましたとか「ギャグ?」なシーンが散見されて、怖くもハラハラも無い映画になっていました。
勿論自分が先の展開を知っているからこそというのはありますが、緊張感の感じない映像は、退屈だったのも確か。
原作ファンにはお勧めしにくい映画でしたね。