感想
原作1話をここに持ってきて、蛍と小鞠を中心にしたお話。
年齢差のある分校に通う彼女達をメインに据えている作品らしい部分が早速出ていました。
小学5年生の蛍は、小学生らしからぬ容姿の少女。
作中でも大人に見られがちだという描写が多く、しかし中身はしっかり小学生してるんですよね。
好きな子(小鞠)から飴を貰った位で大喜びしてみたり、小鞠と遊ぶというだけでちょっと背伸びして「大人っぽい恰好」に拘ってみたり。
ただ、それが非常に似合ってしまう所に、彼女の見た目の「大人っぽさ」が出ているな〜と。
一方、小鞠は中身も外見も子供の中学2年生。
どう見ても子供服にしか見えないワンピースを大人っぽいと思ってみたり、妹にまで「知らない人についてっちゃダメ」と教育されてたりw
今回のお話はこの2人の実年齢と見た目のギャップを利用したもの。
外面的な大人っぽさにばかり目が行き、そういう点に憧れを抱く小鞠が、外見だけで判断して蛍の事に気づかないというオチ。
こういう話は、同学年同士でも成立するけれど、年齢差があった方が面白く感じる事な気がします。
色々な意味で小鞠の子供っぽさが強調されていましたしね。
ただただ小鞠と2人っきりで遊べて浮かれているだけの蛍の様子が小鞠からすれば全て大人の仕草と捉えられている。
この辺の噛み合わなさが、年齢差のお陰でより大きな笑いに転嫁されていたかなと感じました。
何故制服を着ているのか?
分校の様子を改めて見ていて、原作読んでるときには思いもしなかった事にふと気付きました。
越谷3兄弟が制服を着ているのは何でだろう?と。
ここは、小学生も中学生も一緒のクラスで学ぶ分校です。
制服が何故あるんだろう?と。
別に私服でも良いんじゃないのと思わずにはいられなかったんです。
小学生と中学生を見た目だけで判断できるようにという作劇上の理由なのかもしれませんけれど、この辺も田舎ならではの繋がりを意識させられる点でもあるのかなと。
分校と言えど、昔は小学校も中学校もあった可能性って高いですよね。
人口も今以上に多く、子供の数も多かったから、自然と小学校と中学校があった。
1学年1クラス程度だったかもしれませんけれどね。
で、その時代には、中学生の制服というのが普通にあった。
時は流れ、人口が減り、分校という形で義務教育を行う事になり、当然制服は作られなくなってしまった。
けれど、中学校に上がったという分かりやすい指標って欲しいと子供達が願っても不思議じゃないと思うんです。
特に小鞠とかは。
制服に憧れを抱くというのは、今も昔も変わらずありますよね。
特に女子なんかは、制服で学校選びをしてる子だっている。
学生にとっては、象徴であり、憧れでもある。
小鞠のように「形から入る」子にとっては、こういう思いも強そうです。
そこで、村に住む卒業生のお下がりを小鞠達は着ているんじゃないかな〜と。
この作品は人と人の結び付きとでもいうのかな。
近所付き合いが強いという描写が多々あります。
人口が少ない分、助け合いの心も強いのでしょうか。
兎も角、その辺も作品にほのぼの感を出しているのですけれど、制服にしても同じなんじゃないかなと思いました。
越谷3兄弟のお母さんやれんげのお母さんかもしれません。
若しかしたら、一穂かもしれない。
今回出てきた駄菓子屋の楓の可能性だってある。
そんなお下がりも、元を正せばもっと上の世代の人達が袖を通したものかもしれません。
分校になってどれくらい経ったのかは定かではありませんので、何とも言えませんけれど、小鞠や夏海が今着ている制服は、昔から色々な子達が着て来た物かもしれませんよね。
外見にばかり囚われている小鞠の性格から発想してみました。