「ONE PIECE」 ドンキホーテファミリー幹部と麦わら一味の一対一が少ないのは何故なのだろう

この記事は

久々に「ONE PIECE」の記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

今週の第757話 ”切り札”を読んでいて、今更ながら思ったのですが、珍しく麦わらの一味が戦ってないんですね…。
あ、や、戦ってはいます。
けれど、敵幹部連中とは対峙していない。
ゾロとフランキーの2人だけかな。幹部と交戦中なのは。
ロビンを含めてもたったの3人だけ。

決して幹部の数が少ない訳では無い。
トレーボル、ディアマンテ、ピーカの最高幹部3人。
シュガー、ラオ・G、セニョール・ピンク、マッハバイス、グラディウス、バッファロー、ベビー5の7人。
これにボスであるドフラミンゴを含めて11人もいる。

麦わらの一味が9人。
今はここに錦えもんとローが加わっている為、ちょうど11人とも言える。

いつものように一対一に出来た。
けれど、していない。
そうなっていない。
何故なのか?
言う程毎回毎回クルー全員が敵と一対一に持ち込んでいる訳では無いんですが…。
しかし、大きな敵の割には幹部と戦っているクルーが少ないのは事実。
意味は無いのかもしれませんけれど、「意味があるかもしれない」という前提での中身の薄い妄想を。

「一対一を描く意味合い」

ワンピの批判意見の中に「いっつも一対一のバトルに持ち込んでいる」というのを見かけたことがあります。
バトル漫画のメソッドの1つであり、定番のシチュエーションだから別に良いじゃないとは想うんですが、言いたい事も分からなくもないんです。
1人ずつバトルを描く必要がある為、仲間が増える度にバトルに割かれるページ数が必要になってくるんですよね。
それをして、「1つのシリーズが長くなる」⇒「ただでさえ先の見えない超長期連載なのに」という思考での批判。

これが10巻とか20巻。
30巻程度で完結してるバトル漫画に対しては言われない事なのかもしれません。
70巻を越え、更にあと10年は余裕で続くんだろうな〜って位長い連載だからこその批判とも言えそうです。

このような批判に対しての尾田先生のアンサーなのでしょうか?
ま、まあ、違うでしょうね。
尾田先生って「周りの意見を聞かない」というイメージなので。
悪い意味ではありません。

自分が描きたい事に関しては、頑なに初志を貫くというか。
いつだったか、なんだったかのインタビューで「ラストを読者に予想され、指摘されても決して変えない」みたいな事を仰っていたようないなかったような…。
曖昧で申し訳ないんですけれど、故に僕の中ではそういうイメージが先行しているんです。

で、尾田先生にとっての「一対一の戦い」は、こうした「描きたい大事な部分」。
つまり、周りからどう言われても変えたくない部分な気がするんです。
麦わら一味の1人1人の戦いって決して惰性で描かれている様には見えないから。
「お約束」で毎回一対一の戦いをさせている訳では無く、尾田先生自身が描きたいからそうしているように見える。

個人的に特にそう感じたのはアーロン編。
ルフィの決意に応えるという意味で。
1人1人がちゃんと「ナミの為に戦っている」んだという意気込みがビシビシ伝わってきたんです。
あれを集団戦だけにしちゃってたり、一部のクルーしか幹部と戦わせなかったりしたら、「そうじゃない」感の方が強かったかな。
同じことはエニエス・ロビー編にも言えます。
これらのシリーズのように「一対一を描く意味合い」を分かり易く物語に絡めている場合もあれば、そうじゃない場合もある。
そうじゃない場合は、「一対一」を省いていることもありますね。
ロングリングロングランド編とか。

何が言いたいのかと言いますと、尾田先生が一対一の戦いを描かないのには、何かしらの意味があるのではないかという事です。
「このシリーズで描く必要性が無い」のかなと。

とすると、早々に「ぐるまゆ海賊団」がゾウに向けて出航したのも納得できるんです。
メイン戦闘員であるサンジを含む4名がドレスローザから居なくなったのも、ドレスローザ編が「道半ば」であるという意志の現れなのかもなと。

「道半ば」というのは、例えば、ドフラミンゴとの最終決戦の場ではないからなのかもしれませんし。
ドフラミンゴを更に背後から操る奴がいるのかもしれません。
ロー本来の作戦通り四皇との決戦が本当に直後に控えていて、だから…なのかもしれませんしね。
何れにせよ「更に大きな戦いの前の小事」が今のドレスローザ編なのかもしれないなと少しだけ考えております。

やっぱりゾウでのエピソードが本番なんじゃないかな〜。

終わりに

それはさておき、物語展開としては新鮮で良いですね。
特に「虐げられてきた人々が自ら前線で戦っている」というのが良いです。
キュロスですよ、キュロス。
辛酸を舐めさせられ続けた屈辱を自らの力で晴らす。
今回の親子対面は感動モノでした。

麦わらの一味に助けられることなく、自らの力で宿敵を討って欲しいものです。
同様にドフラミンゴとはローがメインで戦ってほしいかな。

今までは「虐げられてきた人々」の代わりを一味が背負ってきましたが、そうではなくあくまでも「虐げられてきた人々」自身が反旗を翻す。
一味は「切り札」のまま残されるという終わりを見てみたい気もします。

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