はじめに
さて。
こう桐乃の想いを知った上で、この回を見るとまた違った感想を持てますね。
どうしてもネタバレになるので書きませんけれども。
そんな訳で、今回はあやせに対する京介の態度に着目して書いてみます。
京介の態度 過去・現在・未来
今回の第10話は、原作第9巻(短編集)から「過ちのダークエンジェル」、「妹のウエディングドレス」を元に再構成されていました。
個人的には日向視点の「あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使」を観たかったああああああああああああ。
くそおおおおおおおおおお。
カットされるとは分かってたけれど、実際カットされるとショック。
アニメ化されないエピソードはBD特典等で補完されるという噂を信じよう…。
閑話休題。
「過ちのダークエンジェル」が原作ではあやせ視点のエピソードです。
で、このエピソードは、短編で終わらすには勿体ないエピソードだったんですねと。
アニメではその点が分かりやすく強調されていた気がします。
何が重要かと言えば、京介の態度ですね。
女の子に対する京介の態度が前回の黒猫の件を経て、大きく変わりました。
なんていうか、ちょっとちゃらかったんですよね。
気軽に「結婚してくれ」とか軽口叩いたり、セクハラめいた言動をしたりしていた。
その最たる「被害者」(笑)があやせでした。
だからかな、彼女に接する態度を比較する事で、京介にとって前回の事件がどういう影響を与えたのか非常に分かりやすくなっていました。
順を追ってみます。
先ずはアバン。
京介によるあやせへの暴言集ですね。
本当にココだけ切り取ると京介がヒドイ奴にしか見えませんねw
だけれど「今までの京介」を端的に表したアバンでした。
Aパート冒頭は、時系列的に黒猫と付き合い始めた頃です。
「(黒猫と付き合いだしたから)だから俺は、もうお前にセクハラしてやる事は出来なくなってしまった」
と頭を下げる京介。
この言動だけで、もう彼はふざけてます(笑
自分のセクハラが、さもあやせが望んでいたかのような言い回しで、「セクハラしたいけれど、自重する」という面が透けて見えます。
ここまでが原作の短編に追加されたシーン。
手錠を掛けて、喧嘩するシーン(上記のAパート冒頭)は、原作にもありましたけれど他の巻でした。確か。
原作短編は、次のカットから。
今までの態度とは一変。
誠実に、心から「セクハラはもうしない。今まで申し訳なかった」と頭を下げます。
あやせに怒られたからというのも、京介が言うのですから実際そうなんでしょうけれど、一番大きかったのは黒猫との件ですよね。
黒猫のお陰で妹・桐乃の本音を知ったから。
黒猫の本当に真摯な自分への想いを知ったからというのもあったと思います。
冗談とはいえ不誠実な言動はしないと決めたのですね。
これは、加奈子への態度からも窺えました。
偽名では無く、本名を伝えるところに、誠実な態度が見られました。
こんな心境の変化を描いた上で、次回ですね。
理由はネタバレになる為伏せますが、一人暮らしする事になった京介の元にヒロインズががやがやと押し寄せてくる訳です。
今までの京介なら、一般的な男性宜しく鼻の下を伸ばしてデレデレしちゃってたと思います。
今でも好きな元恋人の黒猫や「ラブリーマイエンジェル」のあやせらが訪問してくるんですから。
しかし、考えを改めた京介がどう彼女らに接するのか…。
次回で語られるであろう京介の真意を分かりやすくする為にも、今回強調された京介の心境は理解を助ける要因になると思っております。
僕が京介の心境を読み違えていない限りは(笑
てなわけで、僕は、今回のアバンは凄く良かったと思っています。
1話の中で分かりやすく京介の心境の変化を見せる為には必要な部分であり、実際その効果は絶大だったと思うからです。
極論ですが、初めて「俺妹」に触れた方が、この1話を見た場合どう感じるか…。
アバンがあると無いとでは全然違ってきます。
アバンが無いと、京介の心境の変化は把握できなかった事でしょう。
Aパート序盤では、形だけとはいえ頭を下げて詫びていますし、その後も真摯に謝っている。
普通に誠実な男性に見えるだけな気がして。
でも、アバンがあるだけで、不誠実な態度を取ってしまっていた子が改まったんだなと誰しもが納得出来る。
初めて作品に触れた人でも理解が出来ます。
一見無意味に思えるアバンですが、凄く重要な意味を持っていたんではないでしょうか。
終わりに
ああああああ、それにしても原作最終巻の余韻が凄いいいいいいいいいいい。
はやくここまで描いて欲しいというのが半分。
いつまでも終わらないで欲しいというのが半分。
あああああ、もどかしいいいい。