この記事は
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」第2話の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。
はじめに
伏見先生自ら脚本を担当されてのオリジナルあやせ回。
いや〜、京介がキモかった(笑
桐乃は相変わらずの変態だったし(下から画面覗いてもスカートの中は見えないからw)、あやせはヤンデレ気味の魅力を全開。
流石は原作者!!という、キャラの魅力が如何なく出ていたお話だったと思います。
そう。
原作の伏見先生が自ら書かれているから、キャラの立ち位置は何よりも正確だったと思います。
そんな訳で、京介、桐乃、あやせの距離間に注目してみました。
距離間を描く為に使われた2つのアイテム
3人の距離間…つまりは関係性を描く上で、2つのアイテムが使われていたと考えます。
1つは部屋に入れる・入るという行為。
これはある一定の好感度が互いに無いと起こらないイベントかと思います。
あくまでもフィクションの上では。
好意を向けている相手を自室に呼ぶことは勿論、呼ばれる側もそれなりの好意を持っていないと、ほいほい部屋へと上がり込みませんよね。
2つ目は、ゲーム。
携帯ゲーム機で、あやせに似た(声まで早見さん本人を使うという徹底ぶり)キャラクターを登場させる事で、3人の関係性が描かれていたのかなと。
ところで。
今回携帯ゲーム機が選択された理由って何かしらあると思うのですよね。
これまでは全てパソコンゲームでした。
自分が覚えている限り、パソコンゲー(筐体除く)以外でゲーム機が作中に登場したのって、今回が初めてだったような気がします。
そんな初めて(かもしれない)ものを出したのですから、そこにはそれをした理由があるんじゃないかなと思う訳です。
で、考えられるのは、自然な距離間を演出するためなのかなと。
具体的には後述します。
この考えを基本として、3人それぞれの立場から見てみます。
京介
先ずは主人公・京介視点で今回を振り返ります。
京介は、あやせが好きです(笑
その想いを桐乃とゲームを使って表現していました。
「桐乃を使う」とは、自分の部屋にあやせを誘い込む理由としてですね。
桐乃を大好きなあやせは「桐乃の為」という大義名分を着せれば、大抵の言う事を聞いてくれる位には思っているのかもしれません。
ゲームは、もうまんまでした。
わざわざゲームキャラをあやせに似せたのは、京介の気持ちを表現するためとして良いんじゃないかと。
あやせ似のキャラに告白されて喜んだり、自分に告白させるよう仕向けたり。
決定的なのは「俺がセクハラするのはお前だけだぜ」の言葉。
言外に京介にとってはあやせは特別な子だと宣言しているようなものです。
まあ、言われた方としちゃ、ただただ気持ち悪いかもですが(笑
一方、桐乃に対してはどうでしょうか。
こちらは、”最近の京介”そのまんまだったかな。
自分から桐乃の部屋をノックする事は、最近では珍しくも無くなりましたし、並んで座る事自体も特に気にする点では無い。
普通に、人生相談を乗り越えて育んできた…元に修復してきた関係性そのままを描いていたのかなと。
ただし、普通に並んで座っていた訳では無い事がゲームを使って自然に演出されていました。
この事は、桐乃の項目で改めて触れます。
桐乃
桐乃視点で見てみます。
桐乃の場合は、あやせとの関係性を「ゲーム」で、京介との関係性を「部屋」+少しだけ「ゲーム」で描いていたかなと思います。
最初はあやせとの事。
彼女は、別に女性が好きという訳では無いんですよね。
ゲームの中のヒロインが好きなのであって、現実の女性に対してはノーマルを貫いています。
だから、あやせへの反応は実に当然のものでした。
ここでも、あやか(ゲームキャラ)をあやせに似せた意味が見出せます。
あやせとあやかを故意に似せることで、桐乃があやせをどう想っているのか浮き彫りになるんですよね。
更には、あやせにあやかのような言動を取らせて、より明瞭にしていたかなと。
繰り返しますが、桐乃は、ゲームキャラだから好きなのです。
だから、あやかには萌えても、あやせがあやかのように振る舞っても全然萌えない。
それどころか、気持ち悪いとまで表現してました。
桐乃にとって、あやせは(当然ですが)恋愛対象には入らず、ただ単純に親友であるという事ですね。
嵌ってるゲームを一時的に京介に預けてまで、彼女との仲を修復しようと試みていた点からもそれが窺え知れます。
そんな桐乃。京介の事はどう思っているのか。
京介の項でも触れましたけれど、自室に京介を招き入れる自体は大したことでは無いです。
過去に何度もあった事で、これに言及する事は今更感があります。
重要だったのは、ゲームを使って距離間を演出していた事でしょうか。
上でも触れましたが、今回携帯ゲーム機を選択したのは、2人の距離間を自然に近づける為…だったんじゃないかなと。
ノーパソでは、人ひとり分くらいの距離を作れちゃうんですよね。
画面が大きいから。
しかし、小さな画面の携帯ゲーム機だと、画面が見える位置まで接近しないといけなくなります。
顔を寄せ合うという表現が適切なほど、隣同士に座らないといけなくて。
実際今回の京介と桐乃は、非常に近い位置で会話をしていました。
しかも、どちらかといえば、桐乃の方から顔を近づけていっているようにも見えました。
いくら桐乃が大好きなゲームを薦めているからとはいえ、この距離間はこれまででは出せなかったものではないでしょうかね。
確実に縮まっている兄妹の距離間を描いていたのかなと。
あやせ
最後はあやせ。
京介との関係についてはどうだったか。
考えてみると、危険視している筈の京介の部屋に上がり込んだ時点で、京介への好感度はある程度高い事が窺えます。
勿論、京介が考えていたように「桐乃の事で釣られた」というのはあるかと思いますけれど、それだけじゃないですよね。
それだけで、危険を冒すような危機感の薄い子じゃないので。
「京介への告白」も、本当に恥ずかしくて怒ったのか、はたまた演技とはいえ本音を吐露するのが恥ずかしくて怒ったのか…。
色々と考えないといけないのかなと。
桐乃についてはどうか。
純粋にゲームキャラなんかに親友を取られたくないという、ややもすると行きすぎの想いが描かれていました。
「ライバル」で「消えて欲しい敵」な筈のゲームキャラのあやかに成りきってみたのも、そんな行き過ぎた友情のなせる業なのかなと。
桐乃の気を引けるのなら、何だってします的な。
それこそ、京介や加奈子を殺ってでもw
ただ、本当に全て桐乃が好きだからなのか。
桐乃が好きだから、京介にお願いしているのか。
桐乃が好きだから、京介の部屋に入ったのか。
あやせが桐乃を好きな事(ここでの好きは、友達としての意)は明白です。
間違いない事ですけれど、ただ本当にそれだけなのかな…と。
こういう事を考えるには十分なお話だったと思いますし、今回はそれを描く事が目的だった気もします。
おわりに
あやせの罵倒が耳に心地よかった良回。
って書くと、ただの変態ですね。
まあ、でも、罵倒もあやせを構成する大事な要素ですしね。
あやせの魅力が十二分に描かれていたあやせ回でした。
なので、あやせの真意がどこにあるのか。
それを今回のお話から類推する事が重要になってくるのかなと思いました。