「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」 第9話:京介に対する呼び方の違いに現れる桐乃の本音に関する考察

この記事は

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」第9話の考察を装った記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

久々の「俺妹。」記事ですが、今回は原作11巻までのネタバレ気味の事を書いていきます。
すみませんが、原作未読の方はこれ以降に目を通さないで下さいませ。

という訳で…。
いや〜本当に、今回は一つのクライマックスでした。
どういう意味でのクライマックスかというと、「高坂兄妹の兄弟としての佳境」ですよね。

京介への呼称の違いに関する事

アニメを見て改めて気づいたのですが、桐乃は京介の呼び名を使い分けていました。
これまでは基本「アンタ」で統一していました。今回も半分ほどはこう呼んでいた。

ただ、今回目立ったのは「アニキ」と「京介」という呼び方。
これ、意図的に使い分けていたんじゃないかなと。

「アニキ」と「京介」。それぞれどんな時に使っていたか纏めてみます。

(1)「アニキ」と呼んだ時
a) 黒猫に振られ、泣いている京介を励ましている時。
b) 「大嫌い」と連呼した時。
c) 京介に彼女が出来て欲しくないと告白した時。
d) 自分の為に色々やってくれた事を思い返した時。

(2)「京介」と呼んだ時
e) 京介からの「黒猫との仲」に関する相談を受ける事を宣言した時。
f) 黒猫に「京介に謝らせる」と言った時。
g) 自分の為に色々やってくれた事を思い返した時。

こうやって纏めてみると、なんだか使い分けられている様には見えないのですけれど…。
実際「アニキ」と呼んでいる時と「京介」と呼んでいる時は、想いも重なる部分が多いと想像出来ますので、とすれば、似通ってしまうのかもしれないです。
d)とg)が一緒なのはその証左なのだと思っています。

じゃあ何が違うと言いたいのかというと、「アニキ」と呼んでいる時は「京介の妹」としての本音だったんじゃないかなと思うんですよね。

兄妹だから、落ち込んでいる姿を見たくないし、落ち込んでいたら優しく慰める。(a)
兄としては大っ嫌いだけれど、自分の為に色々頑張ってくれた兄を助けたいとは思っている。(b、d)
なんだかんだいいつつ、ブラコンとしての素養は完璧な桐乃w
大嫌いと言いつつも、兄貴を誰にも取られたくないとも思っている。(c)

これまで桐乃は、(表面上)京介をぞんざいに扱っていたり、罵詈雑言を浴びせまくったり。
兄を兄として思っていないんではないかという描写が続いていましたが、そうじゃないよというのが、今回だったんだと解釈しております。
きちんと京介を兄貴と認識し、そんな兄貴を嫌いつつも好いている。

嫌いなのか好きなのか、ハッキリしないように見えるかもしれないし、矛盾と取られるかもしれないです。
が、長い長い兄妹喧嘩が続いていると考えれば、自然に思えるんですよね。
喧嘩しているから、嫌い。
けれど、実際は嫌いなんかじゃない。
京介と桐乃は、そんな関係がずっと続いてしまっていると。

これは、今回黒猫も同じだったと思いますね。
今までの黒猫は、桐乃の事を「あなた」。京介を「お兄さん」と呼んでいました。
これ、桐乃の視点に立っての呼び方ですよね。

人間、相手に合わせて呼称を変えます。
親子関係が分かりやすいのですが、例えば1組のカップルが結婚した場合。
子供が生まれるまではお互いを名前で呼び合ったり、「貴方」・「お前」だったり。
この辺は夫婦によって異なるとは思いますけれど、そんな感じ。

で、子供が生まれるとお互いを「お父さん」・「お母さん」と呼び合う事が多くなりますよね。
子供の目線に立って、呼称を変えていくわけです。

黒猫にとって京介は兄貴でも何でも無いし、黒猫も本気で京介を「兄」とは思っていない。
だから、この呼び方は「桐乃基準」だと分かります。

つまりは、今まではずっと「桐乃の為に動いていた」という事ですよね。
この事は彼女自身が言ってましたけれども、呼び方からも見て取れるのかなと。

桐乃の本音を引き出した黒猫は、改めて京介に問いました。
この時は初めて…かな?
ちょっと思い出せませんけれど、珍しくも京介と桐乃の事を呼び捨てにしていました。
ようやく黒猫自身の立場で、2人に向きあったのだと思います。

呼び方の違いから、こんな事を考えました。

終わりに

桐乃に戻すと、彼女の京介への呼称は
アニキ⇒言葉通り「兄」への言葉
あんた⇒「アニキ」と「京介」の中間。両方の立場も取れるユーティリティな呼び方w
京介⇒???

こんな感じでしょうか。

ではでは、桐乃が京介を「京介」と呼ぶ時の気持ちは…。
これが次回以降、原作最終巻に向けての最後の設問ですね。そのはずです。

「私は京介に彼女が出来るのが嫌。だけど、アニキが泣いているのはもっと嫌」
桐乃の台詞です。
“妹として”アニキに彼女が出来るのが嫌だけれど、ここでは「京介に」としている。
この台詞が、桐乃の全てを表していたのかもしれないですね。
原作では気づかんかった点に、9話を見て気付かされました。

…。原作読んでいる時は、ただただ桐乃の告白に感涙していたのでw

さてと。
原作最終巻、発売間近ですね!!!!!!!!!!!!
テンション上がってきたあああああああああああああああ!!!!!!!

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