この記事は
2012年冬アニメ総括記事5つ目は「パパのいうことを聞きなさい!」です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。
最後まで見ないで批判する事がどれだけダメなのか
途中まで見て、批判して視聴を終える。
それがいかに勿体ない事かを知らしめてくれたアニメでした。
最後まで見て、これ程面白い作品だったと気づかされるとは…。
繰り返しますが、僕は原作未読です。
だからこその感動というのもあったと感じます。
タイトルに込められた作者の気持ち
これまで幾度かタイトルに関して思索を巡らせたことがあります。
祐太のどこがパパなのだろう?と。
彼自身の言動を見ても、また空たちを見ても、祐太がパパになんてちっとも見えなかった。
だからそこで思考を停止させて、特に意味の無い、見栄えだけを追求したタイトルなのかと思っていたら…。
最終回でまさかここに言及してくるとは。
特に意味が無い(タイトルだ)と思っていたからこその驚きがありました。
しかも懸念していたひなへのカミングアウトまでここに絡めて。
僕がこの作品に対して一番残酷で重苦しい要素だと考えていたのが、この「ひなが両親の死を受け止められるかどうか」でした。
いや実際滅茶苦茶辛い現実ですよ。3歳ってそもそも死という概念すら知っているかどうか疑わしい。
そんな幼い子に、「二度と会えない」という現実を突きつけ、受け入れさせる行為がどれだけ残酷で無慈悲か。
避けたいけれど、避けられない事。
これをタイトルに絡めて描いてくるとは…。
1クール使ってじっくり描いてきてくれたからの良さも感じれて。
これまでオリジナルキャラ(だったらしいw)の隣人さんらを増やしてまで、ひならとの交流を描いてきたのも。
原作1巻(らしいw)を1クールに引き延ばして描いてきたのも。
全てはこの為なんですね。
タイトルの意味をクライマックスに持ってくるというのは作劇上理解できますし、一番言いたい事・描きたいことが鮮明になる。
オリキャラを投入したのも、ひなに「パパとママに代わる人々」を増やしてあげたかったから。
よりあのシーンが盛り上がりますしね。
原作既読の方には大きな効果があったようには思えません。
この結末を既に知っていたから。
でも、未読の僕にしたら絶大な効果でしたよ。
スタッフが引き延ばしてくれた事を、こんなに良かったと思えるとは。
今まで”空”中心に描いているのではと書いてきました。
それは今でも間違ってはいなかったとは思いますが…。
作品が本当に描いてきた事は、原作となんら変わらなかったのかもですね。
パパと娘の関係にはどうしてもなれない、ちぐはぐな4人の共同生活。
苦しい事も悲しい事も嬉しい事も色々経験して、そしてそれでも一つの家族になっていく。
家族愛を扱ったよくあるテーマの一つに「血は関係ない」というのがあります。
血の繋がらない家族が、血縁の有無関係なく一つの家族になる様を描く物語。
このアニメも、これの派生型だったのですね。
最終回にしてようやくその事に気付けました。
解釈が間違っているかもですが。
いや〜良かった。
非常に面白い作品でありました。
批判も覚悟の構成であったのかもですが、僕はこの構成で良かったと心から支持いたします。