「Q.E.D. -証明終了-」 41巻 感想

この記事は

「Q.E.D. -証明終了-」第41巻に関する感想記事です。
ネタバレありますので特にご注意下さいませ。

バルキアの特使

「C.M.B.」の方は既に読了済みだった為、こちら側の展開が気になっていたお話です。
2度目のコラボエピソードですよね。確か。
前回は28巻「ファラオの首飾り」。今回はこの時よりもずっと密接に関わりあっていた濃いエピソードでしたね。
なので、これは「C.M.B.」の方も読んだ方が良いです。
それで漸くこのエピソードは真の完結を見ますから。
スワミがどうなったのか?裁判の決着は?全てそちらで明かされています。
ヒントは全部こっちにも描かれてましたので、未読の方はチャレンジ!ですよ!

それにしても可奈と立樹コンビが強すぎる(笑
「カノポスの壺」(「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」6巻)でラクダに乗った盗賊団およそ100人以上をブッ倒した戦歴があるものの…。
あらゆる格闘技の世界チャンプ達でも簡単に倒せそうですねw

そうそう。
燈馬に啖呵切る可奈さん格好良い。

カフの追憶

描き下ろし〜。
まさかの叙述ものでしたか。
きっとミステリ通の方々はこのエピソードに「アウト」判定するでしょうけれど、僕はそうは思わなかったり。
理由は二つですね。
一つ目は、僕が「ミステリ通」では無いから(笑)
もう一つは、これがお話のメインでは無いからです。
あくまでも本筋はフーダニット (Whodunit = Who (had) done it)であって、叙述トリックはおまけだったから…。
だから燈馬の前に現れたカフ・ダービーが「若者の姿」で描かれていてもOKだと思っています。
小説ならば多分この辺も上手い事ぼかして、綺麗に「あっと驚く結末」に仕立て上げられていたと思うのですが、画で見せなくてはいけない漫画には辛いトコですね。

で、これはミスというか、些細な点なのですが…。
回想場面に映っていた100ドル札。
描かれていたお札のデザインがいつの時代のモノか調べてみたら1996年から去年まで使われていたものなのですね。
参考:「過去150年で100ドル札のデザインはこう変わった…新100ドル紙幣が公開」(「らばQ」さん)

少々微妙な事なのですが…。
カフが事件を起こしてから20年以上は経過しているようです。
彼らの老け具合からしてもそれは推し量れますし、ダランの「あの事件から何十年も経ってる」というセリフからも読み取れます。

作中のキャラが歳を取っていない*1為、ここが微妙なトコなのですが、例えば作中の現在の西暦が2012年の場合、20年前で1992年。
作中デザインのものより更に一世代前のデザインのお札の頃です。
「実はカフ達は年老いた老人であった」という意外性を漫画的に演出したいのであれば、お札のデザインを現在より2世代以上前にして描いてくれていたらな…と。
気付く人はそういう点で不審点を見出して、最後でもっと驚けたと思うのですよね。

本当は描かれていた雑誌名から「○○という雑誌は×年前に廃刊しているから、この追憶は×年よりもずっと前だ」という事が分かって、叙述トリックに気づける…みたいな事を想像していたのですが。
無知な僕には雑誌名が割り出せなかったので、これを調べる事すら出来ませんでした。 orz
「TIME」くらいしか知らんぜよ…。

長らく脱線しちゃいましたが…。
最初にも書いたように、このエピソードはフーダニットだと思っています。
その点面白かったですし、叙述部分もなんだかんだ言いつつ楽しめました。

2つのエピソードを繋ぐモノ

「テーマ」と書いちゃうとなんだか断定的で嫌なので、こういうサブタイにしました。
うんとですね。
この巻収録の2つのエピソードには、共通項があったなと思いました。
「反省と前進」ですね。

「バルキアの特使」では、そのまんまテーマみたいに扱われていましたね。
人は反省が出来る。反省をするから、前へと進める。
そういったお話だったと受け取りました。

後半の「カフの追憶」は、逆に反省をしない男の半生。
何度も何度も失敗してきたのに、それを見ようとすらせず、目を逸らし見ない振りをしてきた。
だから、前へと進む機会も逸してしまった。
カフが老人だったのは、叙述トリック云々よりもこっちの意図の方が強かったのかもですね。

反省をしない人間には未来は来ず、過ちを認める事が出来る人間には明るい明日が拓ける。
この巻にはそういったメッセージが込められているような気がしました。

Q.E.D.証明終了(41) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(41) (講談社コミックス月刊マガジン)

*1:実は高校2年から3年に進級はしているとかしてないとか。公式設定では無かったと思いますが。

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