検証
実際に起こった殺人事件の検証番組。
逮捕された男の容疑を晴らすという大義名分の下、しかし、それを「ゲーム」と称する等、社会通念的に見ても不謹慎と思ってしまうお話。
だけれど、その「不謹慎」に見合った結末が用意されていました。
そう。
珍しくというか、初めてかな。
お話を読んでいて、この漫画に「不謹慎な設定だな」と感じてしまったのは。
人が一人死んでいるのに(例えそれがどこまでも卑劣な悪漢であろうとも)、その事件を元にしたものをゲーム呼ばわりするのはどうなんだろう?と。
そう思ってしまったのですが…。
恐らく「ゲーム」という言葉をアナウンサーらTV局側に吹き込んだのも、真犯人だったのかなと。
一種のバラエティ染みたプレゼンをして、TV局に企画を通させたのかなと考え、だとすると「因果応報」というか。
策士策に溺れるという事で。
若しかしたら、実際の殺人すら「ゲーム」みたいな感覚で行ったのかもですね。
なんか考えれば考える程、今回の犯人って歴代でもトップクラスに醜悪なのかもしれない。
それはさておき。
物語の構成としては、43巻もの巻数を積み上げてきて、こうも目新しい物を提供してくれるなんて!という気分。
「可奈が犯人になる」なんて、殺人の絡まないお話でも無い限りは有りえなくて。
今回のような本格的な殺人事件絡みの話で持ってこられるとは思っていなかったので驚き。
ジンジャーのセールス
描き下ろしです。
ひっさびさに身震いするほどの快作!!
先が全く読めない逆転劇をこうも短いページ数で描かれるとは。流石すぎて、これだからこの漫画は止められない。
殺人に限らず、作中で「事件」が起きて、その解決が主眼となるお話ですと、なんとなく先が見えてしまう。
というか「燈馬君が事件を解決する」結末ありきで読んでいて、当たり前ですが、そういう事になる。
でも、今回のようなコンゲームを描いたものになると、余程考え込んで読み進めない限り先が全く読めないんですよね。
今回だってボーっと読んでるだけだと、ジンジャーの悪だくみを燈馬君が暴いて終わりかなと思っていたら、二転三転。
それだけで終わらないアッと驚く結末が待っている。
宇宙船が飛んだように見せかけたトリックのチープさも作風に非常にマッチしているし、これも良かった。
殺人事件を描いたエピソードも良いけれど、やっぱり本領を発揮するのはこっち路線だよねと強く感じたエピソードでした。
Q.E.D.証明終了(43) (講談社コミックス月刊マガジン)
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