はじめに
「Q.E.D.-証明終了-」も15周年!!!!!!
正確には「生誕16周年」なんですが、「連載開始から15周年」という意味なのかな。
なんにしても凄い。
「マガジンGREAT」から始まり、「マガジンイーノ」、「月刊少年マガジン+」と掲載誌を変え、15年間。
原作者無しのオリジナルで、本格ミステリを15年間って物凄いです。
しかも、うち11年は「ロケットマン」、「C.M.B.」と同時連載。(共に「月マガ」で月一連載)
作業量・スピードも半端無いです。
さて、そんな「Q.E.D.」に連載史上最大の危機が訪れているんではないかという記事です。
(記事タイトルが酷過ぎますね。反省)
「Q.E.D.」の歴史を刻むカバー袖
「Q.E.D.」の特徴といえば色々ありますけれど、本編以外での特徴というとコミックスのカバー袖。
作者の近況とか、既刊案内とか載ってる部分です。
「Q.E.D.」の場合は、表表紙の方の袖には作者近況が。
裏表紙の方には全事件名がずらずら〜っと列記されています。
インデックスですよね。
何巻に何の事件が収録されているのか。これを見るだけで一目瞭然。
エピソードが巻を跨がないから可能な「Q.E.D.」ならではの特徴。
これは、インデックスとしての役割の他、今作の歴史とも言えます。
1本1本重ねられ、積まれていった歴史です。
さて、この袖に書かれたインデックス。
大きく3つの段階に分けて、画像を交えつつ1巻から見てみます。
第1段階
始まりの第1巻。
当然ですが、1巻収録の2事件しか書かれてません。
これが2巻以降になると、こうなります。(画像は3巻)
当該巻が分かりやすい様に色が分けられていて、書かれている位置も少しずらしてあります。
少し進んで6巻。
ここからフォントサイズが小さくなりました。
ある程度の長期連載を見据え始めたのかもしれませんよね。
「このままのフォントサイズだと、あっという間に事件タイトルが書けなくなっちゃう!!」という事で、小さくしたのかな〜と。
ちなみに「当該巻の色を他と区別する」事は9巻まで。
10巻以降は、色分けする事が無くなりました。
黎明期は11巻まで。
12巻から第2期といえる、次の段階に入りました。
第2段階
「Q.E.D.」単独のインデックスと機能していたこの袖ですが、12巻から趣を少し変えました。
「加藤元浩先生の著作一覧」となったのです。
「ロケットマン」の刊行開始です。
画像はその12巻となります。
以降「MOTOHIRO KATOU PRESENTS」の文字が入るようになりました。
更に巻数を重ね、第21巻の画像が次になります。
「ロケットマン」が全10巻で完結。
また、この巻には「狙われた美人女優、ストーカーの恐怖 絶壁の断崖にこだまする銃声 燈馬と可奈はずっと見ていた」が収録されてます。
火サス刑事回ですね。
サブタイトルが非常に長く、滅茶苦茶スペースを食います。
これには編集さんは頭を抱えているかもしれません(笑
23巻。
ここから「C.M.B.」のコミックスが刊行開始となりました。
で、お気づきかと思いますが、いよいよもってスペースに余裕が無くなって来てます。
27巻。対策が打たれました。
これまでは、
巻数表示で1行。
サブタイトルで1行。(ただし21巻は除くw)
1巻辺り計2行使われていました。
今まで貼ってきた画像は全てそうなっている筈です。
これで統一されてきましたが、27巻でこの書式を撤廃。
左に詰めるようになりました。
この方式は35巻まで続きます。
第3段階
35巻にくると、左詰め方式でも立ち行かなくなったのでしょうね。恐らく。
36巻で、袖インデックスは第3段階へ移行します。
これまでは、普通に本を縦にして横書きに列記しておりました。
36巻以降では、本を横に倒して、その上で横書きで書かれるように。
画像はその36巻。
分かり辛いですが、本を横に倒して撮ってあります。
で、これに何の意味があるの?って話ですよね。
本を縦にして書こうが、横にして書こうがスペースのサイズは変わらないので、当然書ける文字数も変わりません。
だけれど、1行に書ける文字数は変わってきます。
コミックスは横径よりも縦径の方が長い訳ですから、当然本を横に倒せば、1行あたりに書ける文字数が増大します。
第2段階では、「MOTOHIRO KATOU PRESENTS」、「ロケットマン 全10巻」(文庫版発売以降は全5巻表記)、「C.M.B. 1巻〜(以下続刊)」でそれぞれ1行ずつ計3行使われていました。
第3段階では、これらを1行に纏められるようになったんですよね。
2行分の余裕が出来たという事です。
で、最新45巻の画像がこちら。
あと2,3行分くらいの余裕しか無いんですよおおおおおおお。
1行あたり大体3〜4巻分記載できるので、あと6巻以上は大丈夫だと思うんですが、そろそろこの段階も限界が近づきつつあります。
連載16年以上。ここに作品史上最大の危機が訪れようとしているんです!!!!!
終わりに
「Q.E.D.-証明終了-」に於ける袖インデックスは、この漫画の歴史そのものです。
1本1本加藤先生が積み重ねてきた歴史。
更にいえば、この漫画ならではのオリジナリティ溢れた点でもありますね。
無くしたり、省略したりはしないでも欲しいのです。
ですが、余裕も無くなってきたのも事実です。
どうするのか…。
コミックス担当編集者さんがこの先どうされるのかは分かりませんが、どんなに巻を重ねて行っても決して失くす方向には持っていかないで欲しいと切に願います。