この記事は
「とある科学の超電磁砲S」22話の感想記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。
22話:STUDY
以前も書いた事ですけれど、このシリーズはよく無能力者が敵として設定されます。
理由としては、この学園都市の歪な実態を描きたいからという側面があるからだと思っています。
分かりやすく言葉にしてくれているのがテレスティーナ。
学園都市は生徒をモルモットにした巨大な実験場というのは、もう本当にそんな感じですよね。
闇を覗いたかと言ってますけれど、僕から見れば闇しか無いというか(汗
美琴は本当によく平気な顔をして学生をやっていけてるよな〜と思いますもの。
普通だったら真実を垣間見た瞬間に学外に逃げ出したい衝動に駆られちゃうんじゃないかな。
それをせずに学園生活を満喫し、学園都市に絶望しないのは友達だという分かりやすい理由は良いものですね。
これもずっとずっと描いてきた事だし、ここが美琴の根幹にあるのは当然だし、寧ろそうじゃないとおかしいですから。
テレスティーナとしては、聴いてもいられない戯言でしかないんでしょうけれども。
さて。
美琴に群がる多くの無能力者。
彼らについて考えます。
捻くれちゃった無能力者達
捻くれちゃった代表格はテレスティーナですね。
自身も祖父のモルモットだったのに、それを受け入れて同じ道に入ってしまった、まさしく「学園都市の闇」を体現しちゃってる捻くれ屋さん。
美琴に闇について助言するにはまさしく打って付けの人物でした。
また今回の敵も、学力的には優秀だけれど、能力至上主義の学園都市では脚光を浴びれない生徒達。
テレスティーナの言う「実験動物にしかなれない者達の闇」を体現している人達。
日向に上がれないある意味学園都市の被害者達ですが、とはいえ捻くれちゃってますよね。
学園都市の負の部分を担っている存在の一端と言えそうです。
闇を楽しんでいる無能力者
原作「禁書目録」での事を知らないので、さらっとしか書けないですけれど、「アイテム」のフレンダは非常に稀な存在なのかもしれません。
「超電磁砲」での戦い方だけを見るに、きっと彼女も無能力者ですよね。
無能力者でありながら、学園都市を恨むでも無く、能力者に嫉妬するでも無く。
学園都市の暗部を知りながら、どっぷりと浸かり、楽しんでいるように見える。
若しかしたら学園都市の学生ですら無いのかもですけれど。
美琴に引き寄せられたというのとはちょっと違いますけれど、特殊なケースな気がします。
捻くれない無能力者達
能力への憧れが強すぎて、「レベルアッパー編」では甘い罠の誘惑に負けてしまった佐天。
だけれど、自分のために懸命に頑張り、涙を流してくれた初春の為に考えを改めて、挫けず捻くれず前だけを向く事になった彼女。
同じ境遇で「頑張っている」無能力者には、敬意を以て接する事も出来て、捻くれちゃった者には同情も出来る。
もう1人はご存知の上条さん。
独自の正義感から導き出した「上条さん理論」は、どんな悪にも屈しません。
右手の力があるとはいえ、彼は代表的な無能力者。
捻くれとは無関係の位置に居る、この都市のヒーローですね。
で、美琴にとっては、彼らの存在が殊更大きい事が描かれている気がしました。
無能力者がまるでこの都市の闇そのもののような描かれ方をしているこのシリーズ。
実際は「アイテム」ら高レベル能力者達の中にも闇に精通している者はいっぱいいるんですけれど、テレスティーナといい、天才学生達といい、美琴の前に立ち塞がる闇の住人は無能力者が多い。
高レベル能力者である美琴には、無能力者の事は完全には理解出来てないですよね。
テレスティーナに指摘されてましたけれど。
これ、逆もまた然りで、高レベル能力者の苦しみも無能力者は分かってない。
この辺の溝を埋めてくれるのが、無能力者の友達の佐天とライバル?な上条さん。
美琴の悩みを知っているし、一緒に解決に乗り出してくれる。
美琴もまた佐天を通じて、無能力者の苦しみを知りましたしね。
美琴自身も言ってましたけれど、彼らのような大切な友達と出会えたからこそ、彼女はこの都市で頑張れていれるんでしょうね。
布束砥信
では無能力者である彼女は、美琴にとってどんな存在になるんでしょう。
少なくとも布束にとっての美琴は「唯一頼れる存在」だったと描かれてましたけれども。
友達となるのか。
敵となるのか。
それとも…。
普通に考えれば友達コースですけれど、それをどう描いてくれるのか。
シリーズの最後のドラマ的な見所になる気がします。