この記事は
「Re:ゼロから始める異世界生活」第21巻の感想になります。
ネタバレを含みます。
はじめに
第6章開始ですね。
遂にレムの復活を目指して行動を開始してくださいましたが、果たして。
段々とweb版に追いつきそうになってるので、次回12月は外伝でお茶を濁されてしまいショックですが…。
一先ず21巻の感想です。
ゴージャス・タイガー編に涙
順番前後して、先に幕間の感想を。
冒頭の「いろんなものが宙ぶらりんのまま」に同意ですよ。
中でもガーフと母のことについては、どうなってしまったのかが知りたかった。
偶然にも再会したのに、母にはかつての記憶が無くて。
自分の知らない妹と弟もいて。
母を幸せにしてくれた男は、黒龍に姿を変えられてしまって。
まだ14歳の彼には重たすぎる現実が連続して訪れたわけですよ。
そりゃぁさ、内面ボロボロになりますよ。
ミミが自分を庇って瀕死の重傷を負ったことも追い打ちとなってましたしね。
それだけに彼と彼の母とのことの顛末が語られること無く5章が終わってしまったので、消化不良なところがありました。
だからかな、この幕間は待ちわびてましたし、なによりその内容に感動してしまいました。
ガーフが思わず「お母さん」と泣き崩れたところで、もらい泣きですよ。
きっとこの瞬間だったんでしょうね。
リーシアがリアラを取り戻したのは。
記憶を無くしながらも、朧げに魂に刻まれていた2人の子供たちのこと。
母と呼ばれ、抱きしめることで、「忘れ物」である2人を思い出したのは。
リアラが記憶を取り戻してくれたことがすげぇ嬉しかった。
昔のこと、今の家庭。
ガーフの幼い姉弟のことを想えば、真実を明かさずに、このまま時々会う程度の関係が良いのかもしれない。
少なくともリアラはそう考えたようですし、ガーフだって自分の存在が母の今の家庭を壊しかねないと認識があるので、無闇に姉弟に真相は話さないでしょう。
それでも、僕としては、知って欲しいし受け入れて欲しい。
幼い姉弟が兄と姉がいることを受け入れて欲しいのです。
ガーフに母が自分たちの事を思い出したという事実を知ってもらいたい。
敢えて明言を避けた形で〆た本編を考えると、このような展開を望むのは野暮なのかもしれないですけれど、 真の意味でガーフとリアラが空白の10年を埋められるような関係になって欲しいのですよね。
そういうハッピーエンドを僕は見たいです。
醜悪な罠が過ぎる
惨たらしいシーンに定評のある本作。
わりとガチでトラウマになりそうな殺され方を描いてきますよね。
個人的にこれまでのベストは、3章のレムの死ですね。
ペテルギウスのクソ野郎(こいつが人気あるっぽいのが理解不能)に凌辱(ここでは性的な暴行を意味してません。)されて、ただ殺される以上の惨い殺され方をしたレム。
当時のスバルの怒りには共感しかありませんでした。
スバル自身の殺され方も毎回毎回手を変え品を変え、惨さのレパートリーの限りを尽くしてますけれど、女の子の場合の方が心にきますね。
今回で言えば、ラムとアナスタシアの死が、きっつかった~。
ラムの態度とそれに対するスバルの憤怒は分からなくも無かった。
ただ、ガチの殺し合いに発展したところで、ああこれは瘴気が原因の全滅エンドだなと当たりはついたものの…。
ああいった殺され方は想像の埒外でしたね。
アナスタシアは臓物をぶちまけて。
ラムは頭ごとパトラッシュに喰われて。
描写がいちいちエグイから、かなりしんどかった。
プレアデス監視塔の罠は醜悪なモノばかりでしたが、最初から問題視されていた瘴気が一番惨たらしいものだったのですね。
ちょっと油断してました。
瘴気に犯される危険性は、一番最初に提示されていたものの、件の仲間割れまでは「体が重くなる」とか「体力が奪われる」程度の「軽い」症状に終始してましたので、勝手に大したこと無いものと考えてしまっていたみたいで。
この辺長月先生の術中の上だったら、僕は見事に踊らされてしまった形になりますね。
それと改めて、スバルの強さに感服しました。
そうだよね、彼は覚えてるんだものね。
自分の死はもとより、仲間が凄惨に殺されていくのも。
時には、「自分を殺した者」とも平然と関わっていかなければならないし、その難しさたるや、想像を絶するものなのかなと。
「スバルしか覚えてない、無いことにされた歴史」の記憶を持つことの辛さとそれを抱えるスバルの強さ。
やっぱり凄い男だなと。
戦闘力だけがバトルもの主人公の魅力では無いということですね。
スバルは魔女の入れ物?
プレアデス監視塔。
プレアデス星団監視塔。
つまりは、スバル監視塔。
「プレアデス星団」って「スバル」を別名に持つので、まんまスバルを監視するための塔という意味なのかもですね。
で、目的が嫉妬の魔女を封印している祠の監視なので、スバル自身がその「嫉妬の魔女が封印されている祠」なんじゃないの?
嫉妬の魔女復活には、7つの権能が必要とかでさ。
元々魔女教の大罪司教というのは、嫉妬の魔女の封印を行った者達。
嫉妬の魔女が持つ7つの権能を、7人の大罪司教に1つずつ分散させて、力を弱めて封印に成功した…とか。
頭のオカシイ集団になったのは、徐々に魔女因子に精神が狂わされてしまったからと考えれば、辻褄は合う…のか?
(ジュースがペテルギウスに変貌した本当の理由は、フォルトナを殺害してしまった悲しみに魔女因子が漬け込んだから…とかさ)
ともあれ、7つの権能が揃えば、スバルの中に眠る嫉妬の魔女が復活。
大罪司教を全員倒すと、もれなくスバル自身がラスボスになるという悪辣なオチ。
ああ、あり得そうで怖いw
終わりに
22巻は3月ですか。
先は長いですが、その間読み切れてない短編集(3巻までは読了)に手を出して待ってよう。