はじめに
「りゅうおうのおしごと!」第10巻を読みました。
感想を書きます。
感想
うぉ。
率直に言ってつれぇ。
澪居なくなっちゃうのか~。
海外とか、もう殆ど作品からの退場フラグじゃないですか、やだ~。
冒頭の雰囲気からして「転校か?」と疑いながら読んでましたが、いざ実際に「転校します」って書かれるとショックでかいな~。
こういった形でJS研が無くなっちゃう(確定じゃないけれど、自然とJS研としての活動はなくなっていきそう)とは夢にも思いませんでした。
読後はショックが残りましたが、時間が経って冷静になってみると、この展開で寧ろ良かったのかもと思えるようになりました。
楽しさの裏側には常に過酷さが描かれてきた本作。
棋士の世界は弱肉強食で、誰しもが敵になる非情な世界として強く打ち出されていて、それは例外なくJS研にも降りかかってきたはずなんです。
真剣に将棋の世界に足を突っ込んで居続ければ、いつか必ず。
しかも全員師匠が違うと来ている。
同門対決ですらピリピリとした雰囲気が流れるのに(天衣と姉弟子の関係は特殊だけれど。)、異なればいくら研究生仲間・友達とはいえ関係に罅が入ってもおかしくはありません。
あいと桂香の時のように一方が「子供」でもう一方が「大人」ならば拗れることは無いのですけれどね。
JS研の中でも勝者と敗者がハッキリと別れて、敗者が寂しく姿を消して疎遠になる…とか考えただけでも鬱です。
勿論全員勝者になってハッピーという展開も無くは無いのでしょうけれど、そういった「非現実的な結果」を今作が採用するかどうかは非常に疑わしい。
その辺はシビアに描きそうですので、誰かは必ず敗者になっていた気がします。
そういった悲劇的な未来を回避する1つの手段として、笑顔で別れるというのは、良かったのかもしれません。
将棋が悪い思い出になる前に、笑い合って将棋で繋がった友情を持ったまま別れることが出来たのですから。
ただ、「そうはならない未来の可能性」も示唆されていたのは、優しさなのか厳しさなのか。
澪が残って、JS研が存続し、いずれ勝者と敗者に別れても、彼女達もまた友達で居続けたのかもしれない。
そういった可能性を岳滅鬼さん(相変わらず凄い名前w)のドラマには込められていたのかもですが、あくまでも可能性の1つに過ぎないですからね。
バラバラになる未来の可能性もある以上は、今回の別れはベターだったんじゃないかな。
それよりも岳滅鬼さんのドラマは、必ずしも人間関係に終わりを齎す世界だけではないってことを表現する意味で良かったです。
「地獄」の中でも、不滅の絆はあるってことで。
それでこれは勿論JS研のお話に絡んできてるのでしょうけれど、もう1つ、次の巻で描かれるのであろう姉弟子の物語にがっつりと絡んでくるんじゃないかな。
銀子は「孤独」なんですよね。
その性格ゆえ、唯一同じ世界に住む八一に面と向かって助けを求めないから余計に苦しんでいる。
並び立ちたい、一緒の世界に居たい八一には簡単には弱い部分を見せたくないというプライドもあるのかもしれない。
地獄の中でも今まで通り1人で戦っていくんだという決意がこれまで嫌がっていた二つ名を名乗らせたのでしょう。
それでも高校生なりたての女の子だから、弱い部分がどうしても隠しきれなくて。
八一の手をぎゅっと握って何とか抑えられていたけれど、連敗して後が無くなったことで遂に決壊してしまった感じですかね。
銀子は、「岳滅鬼さん」に成りかかってるんですよ。
死にたがりの棋士に。死んで楽になりたい棋士に。
岳滅鬼さんは、それでもなんとか堪えたけれど、銀子には多分それは無理。
1人で立ち直れるほど強く無いはずです。
岳滅鬼さんの元兄弟子やかつての仲間たちのように八一がなれるのか。
銀子にとって唯一の「仲間」である八一が支えてあげないといけません。
本当に「死んでしまう」ところまで追いつめられてしまった姉弟子を八一は救えるのであろうか。
…ううううん。不安しか無い。
JSにうつつを抜かしてますからね。
遂に小学校の先生までだまくらかして、堂々と小学校に出入りできるようになっちゃいましたから。
童女にはバスケが似合うとかどこまでも昴をリスペクトしてるロリ王八一が、果たして姉弟子を救えるのかどうか…。
杞憂に終わると良いんですが…。
恋愛面での銀子・本格賛成を期待したい僕としては、銀子には立ち直ってもらいたいです。
終わりに
ロリコンネタで笑い殺しにきていた今回ですが、次回は冒頭からシリアス全開の予感。
姉弟子が救われる未来が来る事を願って…。