「先生、好きです。」が好きです。

この記事は

「先生、好きです。」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

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1話の仕掛けにやられた。

コミックス派に向けて壮大な仕掛けが張ってありました。

表紙は市川さん。
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今作のヒロインです。
大事なので、少し彼女について語ってみます。

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「マガメガ」で公開されている1話掲載時には「エロキュン」とか「エロくて一途」と「エロ」を強調しています。
確かに市川さんは、女を武器に樋口先生に迫ります。
胸を触らせたり、下着姿で詰め寄ったり。
ここだけ切り取ってしまうと、彼女がハレンチな女の子のように思われがちです。

しかし、違います。
1話冒頭で早くも彼女は先生に告白するんですね。
「好きです」とド直球のストレートを投げ込みます。
それなのに先生は「教師として好き」と解釈。
教師になって2年間生徒に相手にされなかったこともあって、感動にむせび泣く先生。
勘違いした先生を、市川さんは直ちに修正します。
「異性として好きなんです」と今度こそ誤解出来ない言葉で攻めます。
これを受けた先生はこう返します。
「倫理的に教師と生徒の恋愛は禁じられていますし、市川さんは大切な生徒です。そういう目で見ることは(できません)」

僕が樋口先生に好印象を抱いた台詞です。
明るくて人当たりも良くて可愛いボブヘア(ここ重要)の女子高生(市川さんのことね)に告られたんですよ?
僕だったら「あれ?これなんの罰ゲーム?どうせどこかで見られていて”はい”とか返事しようもんならゲラゲラ集団に笑われてネットに晒されて逮捕されるまである!!」とか考えちゃう。
僕だったら、迷いなくイエスフォーリンラブ。
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恋に恋して鯉焦がす。
想像しただけでメダパニ食らった遊び人みたいになっちゃいますが、間違いなく轟沈するよね。
倫理観?そんなの知ったことかと強気に出るまである。
それなのに、樋口先生はグッと堪える。
彼女いない歴=年齢なのに、性欲に流されない。
格好良いじゃないですか。
真摯に教職に向き合ってる。まさに聖職者。
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そんな樋口先生の態度だからこそ、市川さんは女を武器にするんです。
市川さんだって分かっています。
教師と生徒が付き合う事が、世間からどう見られてしまうのか。
故に、その一線を越えるために覚悟を決めて、「女として見て貰うよう」に努力する。
ひたすらに真っ直ぐで純粋なんですよね。
好きな人に突然触られると、つい飛びのいてしまう程の乙女。
ハレンチなんかでは無いんです。
エロは読者を釣る為では無く、しっかりと市川さんの純真な恋心の表れとして扱われています。
まさしく「一途で切実な純度1000%恋物語」を地で行くヒロインです。

1巻裏表紙は、そんな市川さんと樋口先生が並び立つイラスト。
帯には「止まらない!!」という文言とともに市川さんの可愛らしいカットがいっぱい。

もうこれでご理解いただけたと思います。
本作は樋口先生が市川さんに惚れるまでの物語なんだと解釈出来ます。

樋口先生にはどうやら「教師」というものに特別な思い入れがあるようです。
過去、何か大きな過ちを犯し、それを「先生」に助けられたのかもしれません。
この過去の出来事を解決しないと、樋口先生は、きっと市川さんと付き合わない。
「聖職者」を盾に、彼女を振り続けるでしょう。
市川さんは、だから、そこんところを知り、打破しないといけません。
物語のクライマックスはここに集約されて、その先に晴れてハッピーエンドが待っているのかなと。

やることが明確なので、一見すると単純な構図に見えるかもしれません。
けれど、これは間違いだ。
もっとお話は複雑なんです。

それが1話の罠。
思わず「おぉ、そう来たか!!」と心の中で喝采した展開が待ち受けています。

是非、何のネタバレも無しに読んで貰いたいです。
(あまり大仰に待ち構えない限りは)ワクワクすると思います。

終わりに

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