「シャン・チー/テン・リングスの伝説」感想

この記事は

「シャン・チー」の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

MCUフェーズ4の劇場作品第2弾は、初のアジアンヒーロー。
「マーベル新時代」を標榜していましたが、なるほどね~。
良くも悪くもマーベルらしくない映画でした。
感想です。

マンダリンが最高にカッコよかった

MCUの特徴でもあるコメディ要素が殆ど無かったという衝撃。
「アイアンマン3」以来再登場のトレヴァー・スラッタリーが、1人でその役目を担っていたくらい。

シャン・チーとその家族のドラマと言うシリアス要素を全面に出した作風。
シリアスかつ過去回想が多かったので、MCUらしくなかったなぁと。
少々暇だったと言うか…。

とはいえ、回想を多く入れていた分、新ヒーローの背景は深く理解出来た。
予告にあった父・マンダリンとの闘いというのは、ちょっと違っていて、なるほどそう来たかという意外性がありました。

シャン・チーのキャラクターを深堀する為に、敢えて父マンダリンの生きざまを描く。
王道故に分かりやすいよね。
超えられなかった壁をどう乗り越えていくのかというテーマを用いて、シャン・チーが描かれてました。

だからさ、マンダリンが非常に魅力的に描かれてるんだわ。
メインヴィランと思われていたマンダリンですが、実はそうでは無くて。
テン・リングスは確かに犯罪組織だし、マンダリンはそこのリーダー。
ヴィランなのは間違いないのだろうけれど、典型的な「好きな女に変えられた不良少年」じゃないですかw
冒頭の回想で、後の妻にボコられた時に「おやっ?」と思ったけれどさ。
どこまでも妻を愛し、テン・リングスを捨て、復讐を息子に託し、最後は妻を生き返らせたいという妄執に憑かれ、悪魔に唆され利用されてしまった。

100年以上生きた不死身の男も、普通の人間なんだなと妙に親近感が湧きますよね。
悪の限りを尽くし、権力に取りつかれたヴィランの成れの果てが、愛する人を求めるただの男だった…と。

シャン・チーとの最後の戦いで、テン・リングスの所有権を全て取られても、慌てず騒がず。
むしろ、その時点で息子への継承を認めたような表情がさ、とても良いのですよ。
その最期も、「なるほど~」と膝を打ちました。
不死身故にどう斃されるのかと思えば、命を食べるモンスターに命を吸われてしまうというもの。
息子を助け、自身のミスから復活させたモンスターに殺される。
父としてもヴィランとしても華々しい最期に思えたのは、僕だけかな…。

実質作中のラスボスとして君臨したモンスターは、セリフを話さない怪物なだけに魅力的なヴィランとして描けない。
そういう事情もあって、余計にマンダリンが魅力的に映えるようになっていたなと。
演じるトニー・レオンさんがスマートなこともあって、見た目も格好良かったなぁ。

カンフーアクションが最高

カンフーアクション最高に好き。
流れるように次から次へと技を連携させる動きは、本当に美しいね。

今作のアクションシーンはどれもこれも見応えがあったけれど、特に素晴らしかったのは序盤のバス内での戦闘だなぁ。
予告での映像はほんの触りだったのね。

この間ジャッキー・チェンの「ポリスストーリー2」を見る機会があったのだけれど、今見ても計算され尽くされたようなカンフーアクションに惚れ惚れとしましたが、今作もなかなか。
ジャッキーのはどこかコント的な要素を組み込んで、クスッと出来る部分があるんだけれど、今作のカンフーは、そういった要素を排して、どこまでも真面目にしたイメージ。
普通に格好良いんだよなぁ。

舞台装置を利用している点はそのままに、よりスタイリッシュに、攻撃的にしたカンフーアクションは必見。

テン・リングスを手に入れたシャン・チーだけれど、今後もカンフー主体のアクションを見せて欲しいところ。

終わりに

テン・リングスは帰ってくる???
意外な予告で終わりましたが、シャン・チーは帰ってこないんだろうか(汗

そもそも、テン・リングスはどうなったんでしょうね。
妹のシャーリンが解体するとか言ってたけれど、ポストクレジットシーンでは、解体どころかこれ完全に引き継いでるよねw

とはいえ、似たように見えて、悪事から足を洗ってる可能性もゼロではない…のか???

ヒーロー達の敵として立ちはだかることになるのか、はたまた、ヒーロー側の組織として再登場するのか。
ここら辺注目していきたい。

あとは、シャン・チー。
ウォンの導きで、早速アベンジャーズの愉快な仲間達と顔合わせとなりましたが、再登場はいつになるのか。
こちらも楽しみです。

最新情報をチェックしよう!