「クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」の感想

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「クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」の感想です。
ネタバレあります。

原点回帰らしい

僕は「クレしん」を殆ど知らない。
TVシリーズを見ていたのは、なんと高校から大学生時代。
底抜けに明るくて笑えるギャグアニメとして好んで視聴していました。
無性に嵌っていたんですよね。
同時期には、テレビ放送されている映画も楽しんでいました。

これだけ。
たったこれだけなのですよ。
原作も読んだことが無いし、アニメもそれ以来殆ど見ていません。
映画を見に行ったのは、今回が初めてです。

なので、原点回帰と言われても分からない。
調べてみると原作の臼井先生が描いた漫画を原案としているようです。
この事実を知ってもなるほどとはならなかったのですが、それはそれとして、映画としては非常に楽しめたのです。

ちょっとだけ感想です。

キャストについて

声優陣も多くが変わっていて、寂しい気持ちがありましたね。
しんのすけすら変更してしまいましたから。

そのしんのすけ。
初めてしっかりと2代目小林由美子さんの演技を拝聴しましたが、やはり似てる。
矢島さんの声質に似せてきていて、しかも不自然さが無い。(物まね感が無い)
叫んだ時など、ごく一部でやや小林さんの声になってますが、ここまでオリジナルに似せられるというのは、それだけで凄いことだと思います。
元々矢島さんも「今の声」に演技を変えてから作品人気が出たと言われてます。
しんのすけと言えばこの声あり気なので、これ以上はない後任となってますね。
テレビアニメ史上最も成功した引継ぎと言っても良い気がします。

タブレットの使い方が秀逸

さて物語。
先に書いたように「クレしん」らしさというのは分からないのですが、悪人のいない清々しい物語だったなと。
説教臭さも無くて、誰が見ても楽しめるんじゃないかな。
ラクガキングダムの設定など一部突っ込みどころもありましたが、綺麗にまとまっていました。

個人的に上手いなと感じたのが、デジタルデバイス周りのこと。
落書きによって力を得ていたラクガキングダム。
ところが近年環境美化や子供たちの生活の変化(遊びと言えば専らゲームになり、学校でもタブレットを使うようになって云々)によって落書きが減って、ラクガキングダムが存亡の危機に陥ったという大事な設定がありました。

確かになという納得感がありました。
僕が子供のころはまだチョークで絵を描いていたものですが、最近はとんと見かけなくなりましたね。
(小学校や幼稚園で子供がどのように遊んでいるか調査すれば、見識も変わるかもしれませんが、それすると見識以前に人生が変わってしまうので出来ません。)

今の子供にはなんら理解できなさそうなことですが、大人を納得させた上で「子供は外でラクガキをして走り回るくらい元気な方がいい」的なまとめ方をするのかなとばかり思っていました。
違いましたね。

ラストで、今の時代はタブレットで絵(落書き)を描いて、保存・公開していると説明。
決して今を否定せず、かといって過去を否定しているわけでも無い。
(クライマックスで子供たち皆で街中に巨大な落書きを描かせる描写がその象徴です。)

高尚なメッセージの為ではなく、あくまでも物語を回すガジェットとして採用。
序盤では、ガクガキングダムの危機を生んだ一因として、後半では、ユウマが活用することでラクガキングダムを救う一因として。
取り上げ方が丁寧で、見事だなと感服しました。

それにしても大人の勝手さと言ったら。

唯一見ていてイラっとしたのが、大人達。
なんだろうね、あの身勝手さ。
人間らしいと言えばそうなのかもだけれど、あまりにも酷かった。

助けてもらった恩を忘れ、しかも、幼稚園児1人を囲って責め立てるとか、人の醜い面がこれでもかと描かれていましたね。

ま、だからこそユウマの正論が効いていたのですが。

あんな大人にはなりたくないけれど、命の危険に晒されて本性出たら分からんよなぁ。
分からん。

終わりに

というわけで、初めて劇場で鑑賞しました「クレしん」。
存分に楽しめたので、行って良かったです。

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