本当の意味での「マンガ大賞」の創設を願う

真の意味での漫画賞が無い

世の中には色々なマンガに関する賞があります。
でも、本当の意味でのマンガに関する賞って1つも無いんですよね。
それが不思議だし、是非創設して欲しいんですが…。

8巻以内というコンセプトの何故

今年もマンガ大賞が発表されました。
詳しく知らなかったのですが、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんが発起人として始まった賞のようですね。
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僕、彼の事好きです。
喋りが上手いし、イベントの司会をしてても本当にその作品を好きなんだと伝わってくる。
仕事を仕事としてないところに好感が持てます。

だから、この賞も心からコンセプトである「今、何がおもしろいの?と思う方や、面白いと思ったマンガを、その時、誰かに薦めたい事。その思いを形にした賞」を体現しているのでしょう。
講談社漫画賞とか出版社が選んだ賞のように利害関係が絡まないのが良いですよね。

さて、ちょっと気になることもあるので、wikipediaより抜粋してみます。

考年の前年の1月1日 – 12月31日に出版された単行本の最大巻数が8巻までに限定された漫画作品(過去にマンガ大賞受賞作は除外)を対象としている。
これは「8巻まで出ていれば、人に勧めたいマンガの面白さは発揮されているだろう」「それ以上の長さのものは、面白さは世間に知れ渡っているだろう」「これ以上長いと、気軽に手に取るにはちょっと量がありすぎる」ためだという

何故8巻までなのか疑問だったのですが、ここに答えが書かれていました。
納得。
腑に落ちました。
実にコンセプト通りです。

でも、ちょっと待って。
本当に面白い作品かどうかって、完結してから判明するものだよね。

歪な漫画賞

「途中まで」と「完結後」では大きく評価の異なる作品があります。
ファンの方には失礼ですが、代表例が僕の中では「DEATH NOTE」なんです。

1部までは間違いなく名作でした。
ハラハラドキドキできるし、「ラスト」の意外性もあって、とんでもなく面白い傑作マンガだったんです。
間違いなく万人にオススメできる。

けれど、完結して僕の中で評価が下がったんです。
第2部は本当に本当に要らなかった。
結局のところ「ジャンプ」的に「悪が笑って終わる」のがダメだったのか、無理矢理正義が勝つような方向性で話が進み、そのような結末を迎えた。
あまりにも蛇足でした。

こうなると、人に薦めにくくなる。
12巻と短い分、薦め易い部類には入りますが、第2部があまり面白くない分薦めづらい所があります。

マンガに限らず、作品の全ては完結してから、本当の評価が分かります。
それなのに、完結した漫画を対象とした漫画賞って無いんですよね。

非常に歪です。
途中までを切り取って、この漫画面白いよって言ってる。
別に間違いではない。

けれど、例えば映画で、「最初の30分はメッチャ面白いから見てよ」なんて薦め方、普通しませんよね?
そんな賞、海外含めても聞いた事も無いですよね?
同じような事を平然とマンガではやっている。

完結してから、その漫画の真の評価は下されるべきで、その賞が無いのが不思議なんです。

何故ないのか?

何故ないのか?
「他人への薦め易さ」という基準を含めてしまうと、どうしても「長さ」がボトルネックになるからというのもあるのでしょう。

滅茶苦茶面白い。
是非に色んな人に読んで貰いたい。
全60巻、是非読んでみて!!!

全力のプッシュを受けた時、あなたならどうしますか?

「うへぇ、60巻も読めないよ」
って大抵の人はなるはずです。

どんなに漫画が好きでも、あまりにも長編過ぎると、どうしても手が出ない。
出そうと思えない。

コンセプトに「他人へ薦めたい」という基準が無くても、賞である以上は、そういう意味合いがどうしても付き纏ってしまいます。
だからこそ、無いのかもしれない。

でも、欲しい。
真の意味で面白いマンガを世の中に広めるには、巻数の多さなんて関係ないんです。
60巻だろうが、100巻だろうが、面白い作品は面白いんです。

終わりに

毎年発表あると面白いよね。
発表の前年に完結したマンガの中から、全巻を読んだ上で、大賞を決定する。
例えば2016年完結の中で、僕が選ぶのなら「それでも町は廻っている」を推します。

別に落選し理由に「長いから」ってあっても良いと思うのですよ。
それもその作品の評価の1つには違いないんだから。

しっかりと中身を見て、本当の意味で面白いマンガを世の中に薦める。
完結した作品を対象とした漫画賞の新設を僕は願っております。

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