祝!完結
「それでも町は廻っている」が遂に完結しました。
コメディとして、探偵ものとして、日常モノとして、とてつもない面白さを毎回提供して下さった傑作が遂に終わってしまいました。
最終16巻は、相変わらずどの話も面白く読んだのですが…。
最終回のオチですよ。
オチ。
これにやられました。
ココから先、「公式ガイドブック 廻覧板」で語られた「真相」について記述しています。
知りたくない人、知ってから「お前ネタバレすんな、呪うぞ」と僕を呪い殺そうとしちゃうかもしれない方は、ごめんなさい。
回れ右して下さい。
少なくとも下のセクションは読み飛ばしてください。
お願いします。
- 作者: 石黒正数
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2017/02/14
- メディア: コミック
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石黒正数先生は天才
最終回のオチは、一見するとメタ的な終わりを臭わせる終わり方でした。
歩鳥が脚本のオチを思いつけずに「良いオチが思いつかないよー」って言って終わる。
作者的には、「メタエンド」はダメ解釈らしいですので、本当の解釈をガイドブックで知りました。
驚きました。
心の底からスゲェと思いました。
そもそも何故この漫画が時系列をシャッフルしているのか。
作者の意図を知らずに、ここまで読んできました。
全16巻を行きつ戻りつして、新たな発見や「今まで見えてこなかった解釈」等々を楽しめるようにとの思いで敢えてされていた…と。
成程な~と。
これを踏まえて、最終回のオチの解釈ですよ。
繰り返すようですが、真相を知って、本気でスゲエと叫んでしまいました。
構成力が半端無いです。
最終話の1話前(128話「嵐と共に去りぬ」)、超大型の台風が来て、宇宙人(?)に歩鳥が究極の選択を迫られて…。
歩鳥が町を救う為にスイッチを押そうとした瞬間に「つづく」…となっています。
この「つづく」の先がどこなのか…。
14巻111話「夢幻小説」の119ページだそうです。
実際に、119ページから先を読んでみたら、「嵐と共に去りぬ」の続きの歩鳥がそこに描かれてるじゃないですか。
この111話で、元の世界に戻ってきて、で、最終回があって…。
「少女A」がどうなったのかは108話で明かされている…と。
確かに111話の119ページ以降ってなんか変だったというか。
夢にしては…みたいな違和感があった。
それがこういう形で解消されるとは夢にも思っていなかったです。
エピローグで、歩鳥が静の正体を何故知っていたのかという疑問も読み返す事で絶対に分かる仕掛けになっている。
1回時系列順に読み直したいと心底思いました。
「エピソード毎」に纏めて読んでも面白いかもしれない。
漫画読んでいて、こんなに震えたの初めてかも知れない。
心の底から「石黒正数やべえ」と思いました。
これ、あれですよ。
ようするに「外天楼」の大長編バージョンですよ。
あれは最初からオチまで考えてた訳では無くて、あとから「ただの描写を伏線に仕立てた」作り方をしてたと僕は感じました。
nuruta.hatenablog.com
でも、こっちは違う。
明らかに計算して描かれている。
いや、こっちがそうなら「外天楼」もしっかりと計算して描かれてたことになるのか???
う~~む分からない。
この辺、公式ガイドブックに書いてるかもですが、気になった所だけピックアップして読んだだけなので、書いてあるかどうかわからない。
時間がある時にしっかりと読もうと思っていて、書いてあったら訂正しますが…。
途中までは上の記事で書いたように、あとから辻褄合わせを行いながら描かれていたと思います。
けれど、少なくとも14巻あたりから最終回までは、違うかもですね。
ちゃんと構成を考えて、描かれていた可能性が高い。
そうじゃなければ、こんなこと出来ないでしょうから。
何はともあれ一言。
石黒正数先生は天才です。
終わりに
このマンガは、完結した事で、僕の中での評価が滅茶苦茶上がりました。
ただでさえ大好きだった漫画が、神レベルにまで達した感じですね。
絶対に売れないし、出来るなら墓の下まで持っていきたいくらい。
何度となく読み返せる漫画ですね。
うん。
天才だわ。
あと、公式ガイドブックはマジで必読です。
これは絶対読んどいた方が良いです。
ホント。
値段以上の価値は絶対にあります。