この記事は
「スパイ教室 短編集02 私を愛したスパイ先生」の感想っす。
ネタバレあります。
はじめに
「スパイ教室」のコメディ部分を特化させた短編集も2作目。
くすっ。クスクスっと笑えた第2巻の感想です。
エピソードごとに感想を書きます。
アネット編
俺様少女アネット。
実は滅茶苦茶「デキる子」だったという話。
意外過ぎる一面ではあるけれど、精神崩壊する程ショック受けるとか失礼過ぎるwww
キャラに厚みを持たせつつ、コメディとして処理されているからこそ、ラストのほの暗い一面が光る。
アネットって本当に未知の生物だね。
些細な理由から、涼しい顔をして人を殺しにかかるのは怖すぎる。
良くも悪くも純真な子。
アネットを「知る」には十分すぎるエピソードでした。
ティア編
サラを騙すとは詐欺男死すべしだね。
実のところ、ティアの物語は書き下ろしの方にあると思っているので、このエピソードはサラがメインに思えました。
サラの為にモニカまでも怒りに燃えるとか、本当にサラの人柄故ですね。
死よりももっと惨たらしい復讐。
実にお見事でスカッとしました。
オチは残念すぎるw
ティアのポンコツっぷりを見ると、後のエピソードの胸糞悪さも和らぎますね。
エルナ編
あとがきで竹町先生自身が一押しとされてましたが、同意せざるを得ませんね。
一番作者の「楽しんで書いた」感が伝わってくるドタバタ喜劇。
戦争に翻弄された被害者という重たい一面を取り入れているのに、この下らなさはなんなんだw
アネット編と同じ手法だけれど、トーンの落差を極端に作ることで笑いや悲劇を色濃くしてるよね。
今回は重たさ暗さを表に出すことで、終盤の笑いを際立たせている。
不幸な目にあうエルナらしさとも相性バッチリで非常に楽しいお話でした。
リリィ編
全編シリアスなトーンのエピソード。
1巻のクラウスに敗北した逸話を糧にして、成長したリリィの姿が見れました。
彼女の奮闘も見事でしたけれど、それ以上に目を引いたのがリーダーとしての覚悟と努力する姿勢。
人一倍明るく振舞う姿勢にそんな真意があったなんてね。
リリィも好きなキャラなので、楽しく読ませていただきました。
私を愛したスパイ先生
ティアが幼少時誘拐された時の胸糞わるい真実。
これまでの伏線を回収しつつ、ティアの過去を中心に置きながらも「灯」の面々をも描写するという贅沢なお話。
ティア編で触れたけれど、ポンコツ描写ってエンタメでは「ギャグ描写」に当たるじゃないですか。
重苦しい過去に絞られたキャラに明るいポンコツ描写は似合わない。
相性が悪すぎる。
そのキャラ自身がギャグが出来ないとポンコツ描写って背負わせられない。
つまりは、今のティアは「明るいキャラ」ってことで。
時系列的に矛盾するけれど、過去を克服している証左になるのかなと。
終わりに
次の短編集が鳳メインってマジですか(汗
ちょっと…言いにくいけれど…読みたくないんですが…。
最期を知ってるからこそ、生きてる時のギャグ回読まされるとか地獄でしかない。
つれぇなぁ。読むけども。