「スパイ教室」第10巻感想

この記事は

「スパイ教室」第10巻の感想です。
ネタバレあります。

はじめに

アニメ第2クール目は、アネット回から。
彼女の本性がほんのりと覗く回ですけれど、原作では、突き抜けてきましたね。
どんどん悪くなっていくアネット。
彼女の向かう先はどこになるのでしょうか。

感想です。

サラの成長に納得

表紙イラストを見ても、サブタイトルが「サラ」にも関わらず、サラだと認められない自分が居ました。
ビジュアルが好きだっただけに、ちょっとショック。
でもまぁ、敬愛するモニカに寄せた髪形にしてるのは、微笑ましい。

さて、主役回にしてはサラが全然出てこないなぁと思いつつ読み進めていましたけれど、まさかこの子が「主役は遅れてくる」をやるとは。

仲間のピンチに颯爽と現れる主人公というのは、最早王道にして定番シチュエーションの1つですが、滾るものは滾る!!!!!
エルナに感情移入して、お姉ちゃん来た~って興奮しました。

普通ならばこの流れであれば、サラがニケに勝つというジャイアントキリングを魅せ、彼女の成長を示すこととなるのでしょうけれど。
今作はバトル漫画の作法に則る必要性が無いですからね。

サラの活躍の全てに裏があって、当然この1年での成長はあっても、超一流と渡り合える術は持ち合わせていない。
後のサラ自身の言葉を借りるならば「2流のスパイ」止まり。
あっさりと拘束されてしまいました。

ここら辺、普段ならばガッカリする展開であるのだけれど、今回はそういう気持ちは全く抱きませんでした。
むしろ「サラらしいな」と。
彼女が辿り着いた理想や夢を考慮すれば、スパイとして一流に育つよりかは、あくまでも後方支援として仲間達をサポートする方向に特化して育つ方が自然に思えるし、故に、モニカもビックリの格闘術を身に着けて「超一流」のニケと曲がりなりにも渡り合ってしまう方が違和感凄かった気がします。
敵に捕まってしまい、殺されないかと不安もあるっちゃありますが、そこはジビアの言葉を信じたい。
それよりも、サラの前にも拘束されたメンバーがいるとさらっと明かされましたが、リリィは無事に生存できてるのかの方が心配です。

僕は信じてるよ。
リリィが最初に捕まったメンバーだって。

凸凹コンビ楽しい

エルナとアネットの最年少コンビは確かに読んでいて楽しい。
エルナが成長した分、若干コメディ成分が薄れてしまってますが(笑)それでも、まだまだ幼さを見せるとやはり面白い。

ただ、凸凹が嵌れば良いんだけれど、そうじゃないところが不安ではあるよね。
アネットの悪辣さに向き合うエルナの姿勢。
僕としては、エルナの考え方に共感を覚えるし、将来の夢に関しても、アネットにはエルナ、サラと引退してレストランを開いて欲しいとか思う。

けれど、それはアネットの望むものではないらしい。
どうしても2人の”緩衝材”としてサラの存在は不可欠のようですね。

殺人を厭わないというキャラクターは、スパイとしては良しなのでしょうけれど、ラノベの主要キャラとしては疑問があって。
灯達がヒーローって訳では無いけれどさ、それでも無暗な殺生は控えて欲しいのね。
冒頭にも書いたけれど、アネットの今後がどうも不安でさ。

サラはもとより、エルナもアネットを導く存在となってほしいものです。
先は長そうですけれど。

終わりに

割と唐突なクラウスと蛇のトップとの密会。
敵の敵は味方って形で蛇と一時的にも共闘するのでしょうか?
それはそれで腑に落ちないけれど、重要な意味を持ってくるんでしょうね。

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