「スパイ教室」第12巻感想 百合シーンを語る

この記事は

「スパイ教室」第12巻の感想です。
ネタバレあります。

ほぼ1年振り

本編は、ほぼ1年振りの刊行だったのですね。
延期となった諸々の事情って何だろう?

普通に考えれば、まだ公表できない企画絡みよな。
というと、真っ先に考えつくのがアニメ2期。
プロモーションとしては、アニメ放送中に新刊を発売したいもの。
ならばそこに照準を当てつつ、刊行ペースをコントロールしている可能性ですね。
ただ、なかなか放送時期が確定できずに、故にタイミングを推し量っている…のかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
(あとがきを改めて読んだら、「【まだ言えなかった為規制】企画を新しく始める!」ってなってますね。【】に「アニメ」を入れたら文章として不自然だからアニメ2期って訳では無いね。)

ま、分かりません。
ともかく第3章クライマックス!!
感想です。(主に百合シーンのw)

エルナ×アネット ?

さて、今シリーズ一連のラスボス格だったニケが実はフェロニカを愛していたという新たな事実が語られました。
まさかの百合要素です。
フェロニカが拒否っていたので、一方的な愛に過ぎなかったのかもしれませんが、意外なところから百合が咲きました。

死角からのまさかの一撃と食らった気分ですが、ここで1つ大きな仮説が浮上しました。
「一人称が(主に)男性のものを使っている女性はレズ」説です。
今の時代、一人称で性別うんぬん語るべきではないのでしょうが、ここでは一旦そういった話は横に置かせてもらいます。

今回新たに発覚したニケの一人称は「オレ」。
言うまでもなく男性の一人称の代表格です。
あくまでも個人的なイメージですが、「オレ」には、高圧的とか傲慢とか粗野で荒々しい印象を持ちます。
特に漫画やラノベでは、「オレ」を使用しているキャラクターの性格がそういうことが多いんじゃないでしょうか。
ニケもまさにイメージ通りです。

その他、今作を代表する百合キャラといえばモニカ。
彼女の一人称は「ボク」。
わざわざカタカナで統一され、同じ一人称を使っているクラウスの「僕」(こちらは漢字で統一)と敢えて差別化しているように思えます。
女性が使うと特に「ボクっ子」なんて使われ方をされるくらい女性の一人称としても市民権を得ているものですが、こちらも男性の一人称としての方が広く認知されています。

では本題。
アネットのエルナへの感情は、恋愛感情なのでしょうか、それとも親愛感情なのでしょうか。
素直に読むと後者なのだと思う。
本当の意味で仲間と呼べる存在を得たというシーンと解釈できるし、孤独なアネットと同じ目線で接する仲間としてエルナが描かれていたと取るべきなのかもしれない。
けれど、アネットの一人称から百合が咲いたのかなとも考えてしまいます。

アネットの一人称はご存じ「俺様」です。
pixiv百科事典によれば「俺様」には「相手を目下に見ているキャラに用いられる」とあり、確かにアネットはそういうキャラクターとして描かれています。
こう考えると百合がどうこうではなく、アネットのキャラクター的に最も相応しい一人称として「俺様」が選択されたと見るのが筋かと思われます。
なので上に書いたような筋違いの説を押し付けるのは間違っている。

間違っているのでしょうけれど、敢えて押し付けてみたい。
そして、エルナにデレデレにでれたアネットを見てみたい!!!!!

そして本命語りへ

↑リリィからモニカに口づけした瞬間の僕。

いや、そうもなるでしょ。
しかも任務の為とは言え、リリィも満更でも無いというか、しっかりと顔を真っ赤にしてるんですよ!!!
脈ありと言わざるを得ない。

もうねこのシーンまでの流れが完璧なんだよね。
取ってつけたような百合シーンなんかじゃあない。
しっかりと2人がキッスをする自然な状況を用意し、周到に地盤を固めた上でのシーン。
だからこその尊さ。

捕まっているリリィ、モニカ、サラがそれぞれ連絡を取り合って、同時に脱獄を企てなければならない。
しかしながら、3人はそれぞれ別々の独居房に収容され、さらには仲間とバレているサラは別の階にいる。
サラとモニカは、サラが手懐けたミック氏(ネズミ)を媒介にした簡単なやりとりを行っていたとあるので、彼(?)を伝達係にすればいくらでも連携出来たのかもしれない。
こればかりは完全には否定できない。
けれども、確実とは言えない方法。

ならば、どうすればよいのか。
独居房では足のみを拘束され、手は自由だというのを逆手に取り、かつ、「仲間と思われていない」「(恐らく作中世界では同性同士は考えれない)女性同士」という盲点を利用した手法。
口移し。

これ以上の方法は無い完璧な作戦。

これをリリィが行ったというのもポイント。
真っ先に捕まり、見せ場が一切無かったリーダー。
脱走劇で主役を張れなかったら、いよいよこのシリーズでの存在価値すら危うかったリリィだからこそ意味のある見せ場。
告白を保留していた側からという恋愛的な見せ場でもあり、二重の意味で面目躍如の活躍。

描き方も良いよね。
ただのキスではない。
情報伝達の為。
口から口へメモをこっそりと渡す為。
当然エロさな跳ね上がる。

リリィの柔らかな唇が強く押しつけられる
リリィの舌先が口に入ってきて
舌同士が触れた感覚もある

 

ごちそうさまでした

結ばれて欲しい。

 

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