僕が「TARI TARI」に惹かれた2つのポイント

この記事は

「TARI TARI」の感想?記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

はじめに

録画しておいた「TARI TARI」をようやく見ました。
面白いですね。
P.A.WORKSでキャラデザが関口さんという事で「花咲くいろは」を彷彿とさせる雰囲気が画面全体から滲み出ていて、少年少女たちの青臭い青春群像劇に嫌と言う程期待が膨らみます。

今回は、そんな「TARI TARI」の記事です。

ただ甘いだけでは無い、ほろ苦くもある青春

ただただ明るい爽やかな青春ものも好きなんですが、最近はそうでは無いものも好きな僕。
「青春」というと、僕の中ではイメージ的には「氷菓」が謳っているものに近いからです。
「ただ甘いだけでは無い、ほろ苦くもある」。
明るい未来を夢見る前向きな面とそうでは無い後ろ暗い鬱々とした面。
そういうのが綯交ぜになった時期が青春時代だと個人的には考えていて、それが描かれていくだろうと確信するには十分な1話でした。

主人公であってますよね?
高垣さん演じる坂井和奏。
彼女は「母親を亡くしているんじゃないか」という事をだらだらと理由を挙げつつ書こうとしたら、公式サイトで明示されていて困ったw
しかもこれを理由に歌う事を拒否ってるのではと思って、それに関しても書こうとしていたのにw

ま、まぁ、彼女が母親を”なくして”いるであろうことは、公式サイト見なくても察せる事が出来るようになっていたと思います。
冒頭の「少女と母が遊ぶシーン」。
声から幼い和奏が母と遊んでいるシーンだという事が分かり、このシーンはその母のアップのカットで終わる。
母親が物語全体の主人公であるか、若しくは物語的に重要なキャラである事を示唆したカットであったと考えられます。
主人公では無い為、という事で、和奏の母が非常に重要なキャラであることが想像できる。

続くOP。
序盤で和奏が洗濯物を干しているシーンが写ります。

このカットには和奏と成人男性らしき人、猫が描かれていますよね。
背景からも和奏の家だという事は自明な為、男性が和奏の父、猫は和奏の飼い猫(野良猫の可能性もありますが、公式サイトや本編から飼い猫である事は分かりますのでw)だと分かる。

つまりは、このカットだけで和奏の現在の家族構成が説明されているという訳で。
和奏が洗濯物を干している…家事をこなしている点からも母親が居ない事が分かる。
勿論ただ単に家事を手伝っているだけの可能性もありますが、それにしても母親の影が見えないのは「居ない」事の証左。
それは洗濯物を見ても推測できますしね。
女性ものの衣服が見当たらない(少ない)点からも、この家には和奏以外の女性が居ないんであろうことが窺えます。
(なんか空き巣みたいな考え方で嫌だな、本当w)

以上より離婚していなくなったか、亡くなったかだと思ったのですが…。
亡くなっているようですね。
亡くなっているのに「物語的に重要」であるという事は、和奏の「歌わない」理由になっている事も想像に難くないです。

と言うような事を書こうとしてました。
結局書いてますが…。
和奏一人を取ってみても、ほろ苦く悲しい面が既に描かれている。

また、そんな和奏に接する高橋先生が凄く良い。
先生が「母親になる」という点が重要ですよね。
まだ出産前ですが、この時点でも十分「子を想う母の気持ち」になれていると思います。
言動からも和奏の事を知っている筈。
だからこそ和奏を一層気遣っているんでしょうね。
「母の代わりになってあげたい」という大層な事は思っていないかもですが、それに近い感情は抱いていそう。
教師と言うより親として、和奏を見ているんだろうな〜。
教え子とはいえ、他人の子をそういう風に見れるなんて。高橋先生は良い先生に違いない。

そんな良い先生も居るのに…。
個人的には、来夏に対する教頭の態度にはムカムカしましたね。
こういう懲罰めいた事を学生にすべきではないでしょう。
何があったのかは知りませんが、過去の失敗ばかりを重んじて、未来の成功の芽を摘むような事を教職者がしちゃダメ。

追記
公式サイトの教頭の説明文。
「自然体で音楽を楽しみながらも人の心を掴む才能にはコンプレックスを持つ」ってこれ、来夏の事っぽいですね…。
ただの僻みじゃん(汗)
人間臭いけれど、なんだかなぁ…。
まぁ、教頭が当面の「仮想敵」なんでしょうし、彼女の心境の変化を描く事が物語の目標の一つになりそうですね。

ただ、教頭の存在も「明るいだけ」のお話で無い事を示唆しているんじゃないかなと。

基本明るく前向き。
だけれど、明るいだけでは無くて、辛い事も悲しい事もある。
それがはっきりと分かる第1話だったので、僕は非常に惹かれました。

和奏の歌が楽しみ

作風が好みであるという事は先の通りですが、続きが気になる理由はそれだけでは無いです。
最も大きな要素は、やっぱりカタルシスなんですよね。

僕は少年漫画が好きで、少年漫画的な展開には非常に惹かれたりします。
中でも好きな描写は「主人公の凄さに周りが驚く様」だったりします。

「H2」の序盤とか、メッチャ好き。
サッカー部との野球の試合で、比呂がホームランを打ったり、完璧に相手を抑え込んだり。
比呂の野球の非凡なる才能に気付いた周りの人間がしーんと静まり返る様は、非常にカタルシスに富んだ演出だったと思います。

勿論カタルシスを視聴者に与えるには、「主人公の凄さ」だけを一方的に描写するだけではダメですけれども。
例えば「主人公は凄くない」…この作品で言えば「和奏は歌が下手」だと周囲の人間が思っていないと成り立たない。

今の所周りからも和奏は「音楽科に居たから歌が上手い」と思われているようなので、カタルシスが得られるような展開にはならなそうですが…。
でも、可能性が無い訳では無いですし。

「歌う事を拒否している」和奏が、「歌う事を決意した時」。
そして実際に歌う時。
それが凄く楽しみなんです。

キャストが高垣さんだというのもポイント。
声優の中でも高垣さんの歌唱力ってトップクラスだと思うのです。
本気で上手い人が、本気の歌で和奏の歌を表現する。

それが見たくて堪らないのです。
放送前の個人的な期待通りの作品になってくれそうで、非常に楽しみです。

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