この記事は
「とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟」の感想記事です。
ネタバレ全開なのでご注意下さいませ。
はじめに
近所のコンビニは、日曜深夜11時半には「週刊少年ジャンプ」等月曜売りの雑誌の”早売り”をしてたのですが、先程回って来たら3件とも全滅。
どうやら近くの本屋から「早売りすんな、ゴラァ」というお触れが出た模様(予想)。
てなわけで、予定を変更して映画「禁書」感想でブログ更新。
説教相手は適切だったか?
ツッコミどころは結構多かったですね。
神裂最強すぎるw とか。
インデックスに出番が多い!!! とか。
後者は違うか。
ま、まあ、でもインデックスは出番が殆ど無いと決めつけて居た為、ほぼ全編に亘っての登場&活躍には嬉しいものがありました。
僕自身はインデックスを好きになった為に、この作品を見始めたので。
とまあ冗談はさておき、最大のツッコミどころは、今回の説教相手は誰?ってところだったでしょうか。
終盤になるまでレディリーなのかシャットアウラなのか分からなかったんです。
勿論事前にポスターを見てれば、迷う事なんか無かったと思うんですけれどね。
公式サイトのTOP絵での両者の扱いを見れば一目瞭然ですし。
でも恥ずかしながらそれを知らずに映画本編を見ていたので、終盤まで分からず。
展開的にはレディリー一択なのかなと思いきや、こっちは普通に弱すぎて(戦闘能力が無くて)インデックスが相手する事になるとは思いもよらなかったです。
そんな訳で、上条さんの説教相手はシャットアウラになったんですけれど…。
なったんだけれど、「それでいいのかな?」という思いも多少残っております。
というのも、この作品って「根っからの悪人」というのは(少なくともアニメ2期までには)登場していないんですよね。
逆さの人とか超怪しいし、「超電磁砲」で黒幕張ってる木原幻生とか(ていうか、この一族は基本悪人と呼んで差支えないかも)一部にはいるけれど、上条さんと敵対した相手には居なかったかなと。
皆背景に何らかの事情を抱えていて、それが”上条さんの正義”とかち合ったから対立するだけで、基本的には「悪人」では無くて「敵役」。
だからこそ、上条さんの説教って意味を持ってくるんですよね。
彼の説教の内容の是非は置いといて、説教をするという行為は「説教によって変われる余地がある事」が見込めて初めて意味を成す事だと思うのです。
これが「悪人」相手だと本当に空しいだけ。
例えば「DRAGON BALL」で言えば、フリーザに説教かますようなモノです。
実際悟空はフリーザに改心するように言いましたけれど、聞く耳持たずでしたよね。
馬の耳に念仏、豚に真珠、猫に小判。
根っからの悪人に説教しても作劇的には無意味。
そう言う意味では、悪人では無いシャットアウラに説教は良いんですけれど…。
ただ、説教するほどの「敵役」とも言えなかったかなと(汗
ヒロイン・アリサとの関係は、途中でおおよその見当は着いちゃってましたし。
こっちをインデックスを任せても良かったんじゃないかなとも。
最後の歌についての演出を考えても、アリサ、シャットアウラ、インデックスを同じ場所にしてた方が分かりやすかったとも思いますし。
説教のし甲斐という意味では、「死にたいから」という理由だけで、多くの命を犠牲にしようとしたレディリーの方がずっとずっと上だったと思うのですね。
簡単に「死にたいから」なんて書きましたけれど、彼女には彼女なりの動機があったみたいですし、そこを突き詰めて彼女を作品の「ラスボス」に仕立てた方が綺麗だったかな〜と多少ですが思っております。
レディリーって中途半端に狂言回しに終始してしまってましたからね。
それならいっそ、彼女は本物の悪人にしてしまった方がスッキリと締まっていた気が致します。
映画と敵と上条さん
と、マイナスな事はこれ以上止めときます。
一つ、今回の敵役と絡めて、主人公である上条さんの描き方について思った事を書きます。
映画というと、TVシリーズよりも壮大なスケールを思い描きます。
自然に敵のスケールも大きいモノを望みがちになります。
となると、そんな敵を倒すには、上条さんもまた強く見せる必然性が生まれてしまう。
この論理思考はしかし、この作品には当て嵌まらないし、当て嵌めるべきでも無いと考えます。
1行目は良いのです。
宇宙エレベーターというスケールのデカイ題材を引っ張り出して、非常に上手い具合に魔術と科学を交差させていたのが凄かった。
多少キャラによっては登場のさせ方に違和感を覚える事もあったかもですが、そこはお祭りという事で。
美琴、一方通行、ステイル、神裂と科学サイドと魔術サイドの主要キャラにも一定の見せ場が用意されていたし、「超電磁砲」チームにも予想以上の活躍シーンがあったり。
1シーンだけとはいえ、多くのヒロインの登場等々、まさしく2つの勢力の交差を観れた事はとっても良かった。
問題は2行目ですね。
前述の通り、僕の考えでは、今作の”敵キャラ”は「悪人」ではなく、何らかの同情できるドラマを持ち合わせた「敵役」で無いといけない。
背景のドラマが重要なのであって、強くある必然性って無いんですよね。
しかも、当の上条さんは、ハッキリ言って弱いです。
滅茶苦茶弱いから、いっつも入院してカエル医者の顔なじみになっていて。
そんな上条さんが大怪我を負ってでも勝てるのは、右手の能力と、あとは敵も弱いからですね。
「禁書目録」に出て来る敵って、揃いも揃って魔術や超能力に頼りきっています。
これら異能の力さえ封じてしまえば、迫撃に於いては、その辺の一般人と大差無いんじゃないかな。
上条さんも「喧嘩慣れしていて、多少強い」というだけで、格別喧嘩が強いなんて設定無かったですし。
そんな訳で、普通よりちょい強い位の上条さんが勝てるのは、敵さんが皆喧嘩が弱いから…だったりするというのは、きっと映画まで見に来る人達にとっては常識なんだと思うのです。
寧ろここを崩して、敵を強くしてしまうと、上条さんでは勝てなくなります。
勝たせようとすると、それは最早「禁書目録」では無くなってしまうし、少なくとも上条さんの物語では無くなっちゃうかな。
原作では、上条さんは「主人公の一人」という立ち位置に変わっているみたいですし、それならば問題無いですが、アニメ版に於いてはまだまだ「唯一の主人公」ですからね。
「唯一の主人公」である上条さんの物語にするには、敵は弱く無くてはならない。
で、実際にそうなっていたこの映画は、僕にとっては紛うことなき「禁書目録」の映画でした。
事件のスケールだけ大きくして、敵のスケールはそのまま。
そういう感じですね。
終わりに
なんだかグダグダ書きましたが、総合的にはこの映画には満足しております。
ひっさびさにインデックスの可愛さを堪能出来ましたし、盛り上がる点は非常に盛り上がりましたし。
この勢いで「超電磁砲」2期を駆け抜け、本編自体も3期、4期と行ければ良いな〜と。
さて、特典の小説は…いつ読めるだろう?(汗