この記事は
「隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた」感想です。
はじめに
「隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた」を読みました。
って、タイトル長い!!!
近年流行りの文章系タイトルですけれど、それにしても長い。
これだけ長いと覚えづらいから不利だと思うんですけれどね。
しかも悪いことに内容と合ってない。
折角面白いのに、タイトルで損をしてますよ。
タイトルからは想像できない物語があった
「昨今のオタクは鬱展開を嫌っている。」
真実はさておき、twitterなどでアニメの実況を見てると頷けちゃうのも事実。
僕個人も暗く陰鬱な展開は苦手なので共感できる点もあるのですけれど、それにしても過剰な反応を示す方々もいるようです。
「え?その程度で?」と首を傾げたくなるようなこともあります。
ほんの些細なことでも、シリアスだと非難するオタクさんもいます。
じゃあ、そういう方々に楽しんでもらおうと企画されたであろう作品群が増えてきた印象もあるのです。
本書を読む前の僕が本書に持っていた印象が、ずばりこれでした。
タイトルのどこをどう深読みしても、シリアスさが微塵も感じられません。
頭を空っぽにして萌えだけの内容なのかなと。
だから、買うのを躊躇してたんです。
日常系とか萌えとか大好物だし、積極的に摂取する類のジャンルではあるのですけれど、ラノベにだけはそういうのをあまり求めてないんですよね。
ガチでシリアスだとそれはそれで避ける傾向にありますが、背景を感じさせる人間ドラマは入れて欲しい派なのです。
今作で言えば、何故「隣の席の男子をからかうのか」?
「好きだから」じゃあ、まんま「からかい下手の鷹月さん」です。
オリジナリティが感じられませんし、それどころかパクリだと炎上必至。
とはいえ、これ以上にライトな動機も見当たりません。
パッと思いついたのだと、「隣の男子をからかって楽しんでいたら、反撃されて気づいたら惚れちゃってた」という本当に軽い軽い物語像です。
タイトルから想像できる範囲では、ここにドラマの入り込む余地など無いからこそ、ここにドラマが欲しかったのです。
結論を言えば、しっかりとした動機がありました。
ヒロイン・鷹月唯李(ゆい)が隣の男子をからかうには、過去に負った心の傷が関係していて…。
一方、からかわれる側の成戸悠己にも「美少女に毎日グイグイ来られても動じない」訳と「返り討ち」にする真剣な理由があって。
基本的には「流行りのストレスフリーの甘々恋愛もの」(作者あとがきより抜粋)で間違いなく、ノリの良い会話劇に晴れやかな気分にさせられます。
然しながら、楽しさを邪魔しない範囲でメイン2人には、「どうしてそういう行動を起こすのか」という背景がしっかりと書かれているのです。
キャラの背景にドラマがあると、それだけで魅力的に映るんですよね。
読み終わった時に「鷹月唯李の物語」をもっともっと読んでみたいという気分にさせられました。
僕が名付けよう。真に相応しいタイトルというやつを
兎に角、タイトルで損をしてる。
タイトルから受け取るイメージ通り、「ストレスフリーのラブコメ」だと思って手を出した読者には、彼らのちょっと重いドラマにも過敏な拒絶反応を起こす恐れがあります。
反面、少しくらいはドラマを望んでいる読者は、なかなか手を出しづらいタイトルとなっています。
もっとちゃんと内容を反映し、かつ、短くスマートに印象に残るタイトルにすべきだったんではないでしょうか。
そこで僕が考えてみました。
その前に簡単にあらすじを。(ネタバレ注意)
とある理由から隣の席の子を楽しませようと頑張る唯李は、高校2年生になって最初の席替えで隣になった成戸悠己をからかい始めるが…。
思わず悠己から反撃にあった彼女は、徐々に悠己が気になってしまいます。
「先が告ったら負け。だって、尽くさないといけなくなるじゃん」
いつしか唯李がからかう動機が変わっていくのですが、はてさて。
ざっとまとめるとこんな感じですね。
さぁ、発表しよう。
今作に相応しいタイトルはこれだ!!!
「からかい下手の鷹月さんは告らせたい~天然たちの恋愛頭脳戦~」
終わりに
嘘偽りなく面白かったのでお勧めです。