はじめに
魔法に強い憧れを抱くココは、ある日「魔法の素質を持って生まれたものにしかなれない魔法使い」の秘密を知り、禁止魔法を使ってしまい…。
精緻な筆致で描かれた純ファンタジー。
魔法の構成がすごく単純にして奥深く、世界観の構築も見事なまでにファンタジーを体現。
非常に読みやすく、面白い漫画です。
ココが可愛い
ココが幼いころ、魔法の絵本とペンを渡した魔法使い。
彼の目的は何なのか?
大きな謎に巻き込まれつつも、ココの好奇心が留まるところを知らない。
先生の居ぬ間に試験に借り出されてしまったココ。
試験は、ダダ山脈の頂上に生える王冠草を取ってくること。
そのダダ山脈は、丸い球体状で中空に浮いていて…。
ココは姉弟子アガットから借り受けた空飛ぶ靴でダダ山脈に「登ろうと」するも失敗。
靴をだめにしてしまいます。
途方にくれるココ。
普通ならここで諦めてしまうでしょう。
普通の魔法使いは小さなころから鍛錬を積んで、魔法を描けるようになる。
ココにはその経験が絶対的に足りないのだから。
しかし、先生の言葉を思い出したココは、自分の魔法・仕立ての技術で魔法を描く。
お母さんが石化してしまった時も、試練の前に心折れそうな時も、ココは魔法を信じて前を向く。
このココの前向きなで明るい性格が、読みやすさにプラスになっています。
終わりに
純粋なファンタジーで勝負してる漫画ってあまり知りません。
「鋼の錬金術師」や「ハリーポッター」など独自の世界観を構築し、物語を展開させるのは、それなりに難しいのかもしれません。
今作は見事なまでに独自の世界観を構築しており、「何も知らない」ココの目線で少しずつ見せてくれるので、説明くさくなく自然と読ませてくれます。
和製「ハリーポッター」として、多くのファンを獲得すること請け合いな気がします。
これは続刊要チェックです。