はじめに
2019年早くも新作のアニメがスタートします。
数多くの漫画原作アニメが控える中、今作もそのうちの1つ。
買おう買おうと思っていた原作コミックスを12月に漸く買って、最新5巻まで読了しましたので感想を書いていきます。
第1話の印象を信じるな!!
僕が最初にこの作品を買おうかなと思ったのは、確かアニメ化が発表されたあたりでした。
そこで今作のことを知って、書店で4巻の表紙を見て、素直に可愛いなと感じたのです。
読んでみたいとなるには十分すぎる理由でした。
しかし、それから実際に本を買うまでには数か月の葛藤があったんです。
何故か。
第1話の印象があまり宜しく無かったからです。
店頭に試読の冊子が置かれてる事ってありますよね。
多くが第1話だけを収録したもので、作品のコミックスの横に置かれてたりします。
販促目的のこの冊子を僕も手にして見ました。
あ。言葉足らずですが、勿論今作のです。
第1話はエキセントリックなお話でした。
科学部部長の上野さん(中学三年生)。
彼女はドラえもんもビックリの不思議理論で構築された発明品を容易く作れちゃう天才少女。
(見た目からも言動からも天才を思わせる部分は欠片も見られないんだけれど)
今日も今日とて、自分が発明した品を部員である後輩の田中君(中学2年生)や山下さん(中学1年生)に披露しています。
今回作ったのは、究極の携帯型濾過装置「ロッカくん」。
「見るだけで目が腐る世紀末級のドブ水ですら、氷窟からこんこんと湧き出る大地の泉レベルにまで浄化することが可能」(上野談)な装置。
災害時などで大活躍しそうな素敵な発明ですよね。
早速試したい上野さんは、自分のおしっこを濾過した水を田中君に飲むよう強要します。
一部のマニアックな人にとってはご褒美とも言える行為も、しかし、普通の感覚の田中君は「バッチいなぁ」と一蹴します。
それでも「バッチくないから飲め」と迫る上野さん。
田中君は意見を変えず「汚いから飲まない」と譲りません。
実証ならば既に山下さんを金(100円)で買収して上野さんおしっこ(濾過済み)を飲ませたばかりなので終えています。
その上で、田中君におしっこ(濾過済み)を飲むように迫る上野さん。
上野さんの言動に引っ掛かりを覚えた田中君は「なんでそんなに僕に飲ませようとするんですか」と問います。
結論から言えば、上野さんは田中君にべた惚れしてるんですよね。
でも、素直に気持ちを伝えることが出来ないんです。
断られたらという不安が強いから。
本気だからこそ、ダメだった時のことが不安で不安で仕方ないのでしょう。
だから、自分のおしっこを飲ませて気持ちを伝えようとした。
うん。
率直な僕の感想は「なんでやねん」でした。
田中君も上野さんの考え(直接告白は怖いから、おしっこを飲ませて想いを察してもらう)が1ミリも理解出来なかったので、結局想いは全く伝わらないんですが。
僕も田中君同様に理解出来ませんでした。
好きな男子におしっこを飲んでもらいたいという発想が謎過ぎて、下品な下ネタ漫画なのかなという印象だけが残ったんです。
ああ僕の苦手なジャンルか…
上野さんの行動に理解を示せていたら違った印象を持ったのでしょうけれど、「間接的に好きだと伝えたいから、おしっこを飲ませる」という発想にどうしても頭が付いていけなかったんです。
だからこそ、下ネタという印象だけが残っちゃったんですよね。
でも、1話はこれで良いんですよ。
上野さんの思考を理解出来ないのが当たり前で、それを敢えて意図的にしてきてたのだと今では考えを改める事が出来ています。
上野さんの想いを知っている山下さんが作中で上野さんの気持ちを代弁している下りがあります。
そこで山下さんは自分の考えも言ってるんですよ。
「やり方は間違ってますけどね」と。
この何気ないセリフが大事で、上野さんは不器用だからこそ気持ちの伝え方が下手糞すぎるんです。
僕らからすれば、そんなやり方じゃ気持ちは伝わらないよという方法を取ってしまうんです。
不器用だから。
第1話は、読者の理解力を試す試金石。
敢えて多くの人には理解出来ない手法を上野さんに取らせて、彼女の不器用さを伝えて来ている。
この意図に気づければ嵌れるし、そうではないなら続きを読まなくていいかとさせる。
残念なことに理解力に乏しい僕は後者でした。
それでも数か月要したとはいえ、購入に至ったのは上野さんのビジュアルの可愛さに惚れたから。
不安を持ちつつ4巻までいっきに買って、2話以降を読んでみて、そんで嵌った。
滅茶苦茶笑って、いじらしい上野さんに萌えて、漸く「第1話はそういうことだったのか」と納得した。
今じゃ掌返しで、大いに嵌っているんですよ。
お気に入りポイント
兎に角ですね、上野さんが可愛い。
2話以降も体を張ってるんですよね。
基本的に彼女は「田中君の性欲を掻き立てて籠絡しよう」とします。
下半身を見せようとしたり、パンツを食べさせようとしたり。
体を張るんです。
顔を真っ赤にさせて全力で照れながら。(←ここ重要)
例えば2話では、「スカートの中が黒で塗りつぶされて、パンチラしない発明品」を使って、田中君を煽ろうとします。
装置に絶対の自信を持つと豪語する上野さんは、敢えてパンツをはかずに下半身すっぽんぽんの状態だと宣言。
その上で、下から田中君にスカートの中を覗くように指示します。
健全な中学生なら大興奮して理性を吹っ飛ばすだろうと企む上野さん。
ようは既成事実をでっちあげようとするんですが、その時の様子がこちら。
田中君はマジで死んでるのかもしれないw
田中君は女子に興味が無いわけじゃないんですよ、多分。
でも、ラノベ主人公なんて相手にならないレベルの鈍感BOYなんです。
上野さんが羞恥心を必死で堪えて、頑張って体を張ってるのに、全く期待に応えない田中君。
気付いたら上野さんが全力ツッコミに回ってしまうほど、彼は意図を察しないし、空気を読まない。
そこが笑えるんです。
不器用すぎる上野さんの行動も、それでも察せる時があるんです。
「僕の事好きなのかな」ってくらいは。
それでも田中君は気づかない。
イラついた上野さんも偶に「それもう告白じゃん」的なキワドイことを言っちゃうんですが、それまたスルーされる。
田中君が鈍感すぎて全く進展しない関係が非常に笑えます。
そんな田中君だから、上野さんの想像を超えることも平気でやってくるんです。
基本恥ずかしさを堪えて、体を張ってる上野さん。
2話で言う所の「(田中君を籠絡する為に下半身を)見せたいんだけれど、やっぱり見せたくない」という葛藤があって。
だから、予想に反してグイグイ来られると、それはそれで拒んじゃいます。
「何を見せたいのか、スカート脱いで見せて下さいよ」と強引な手段で田中君が迫ってくると、全力で乙女になります。
見せたがりなわけじゃ無くて、恥じらいを持っているんです。
そこに萌えます。
可愛いです。いじらしいです。
腹が捻じれるほど笑えて、赤面上野さんに悶える。
1話切りしなくて本当に良かったです。
終わりに
アニメも楽しみ~。