「真・侍伝 YAIBA」感想 序盤に引かれた最終章へ繋がる布石に今更ながら気づいた話

この記事は

「真・侍伝 YAIBA」の感想になります。
原作最終章への言及ネタバレを含みます。

かぐや役は三石琴乃さんになる気がするんだ

1993年にTVアニメ「剣勇伝説YAIBA」に嵌り、その流れで原作コミックスを読み、SFC版を遊びまくっていた子供時代。
個人的にも思い入れの深い作品なのです。

だからこそ楽しみにしまくっていたリメイク版「真・侍伝 YAIBA」。
始まる前のプロモーション動画の時点から期待感マックスでしたけれど、いや~本編もメッチャ最高っすね。
連載当時の青山先生のタッチを忠実に再現しつつ、現代を舞台にアレンジ。
懐かしさと新しさを見事に融合した映像には、ワクワクさせられっぱなしです。

2話まで視聴した上でのざっくりとした感想を書きます。
尚、但し書きしましたが、原作最終章「織田信長御前試合編」に言及しています。
ネタバレを回避したい方は、これより先を読まないでください。

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剣の腕と精神力

鉄刃と鬼丸猛。
生涯のライバルとなる2人の出会いは……こうやって大人になってから見ると、物凄く幼稚だったのねw
あまりにも刃が酷すぎる(笑
鬼丸って完全に被害者だったんですね。
原作での須藤らとのエピソードをカットして、刃と鬼丸の出会いに集中してくれたこともあって、より刃の身勝手さが際立ってました。
平成の少年漫画の主人公としては、珍しくないキャラ付けだったので、鬼丸の被害者面に気づけてなかった。

それはさておきまして、序盤のこの2人の対比がそのまんま最終章へと繋がっていると分かったのは、新しい発見でした。
刃と鬼丸、それぞれ2つの観点から比較してみます。

先ずは剣の腕。
浅草の街中を舞台としたハチャメチャな「初対決」。
2人の中では、刃の勝ちということになっていましたが、「剣士同士の対決」だったらどうだったのでしょう。
峰道場の師範代である「ふじ」に言わせれば「あやつには堂々と剣で勝たなければ勝ったとは言えんじゃろ」とのこと。
実際、材木を投げるわ、怪我したところに噛みつくわと剣士の戦い方では無かったですしね。
ジャングルに居た頃のままのスタイルで勝ったに過ぎません。
まだまだ剣士として、剣の腕前としては鬼丸の方が遥かに上と言えそう。

次は精神力。
ジャングル育ちの本領発揮と言ったところでしょうか。
子供らしさというか、はっきり言えばガキンチョではあるものの、タフさでは刃はこの頃から大したものでした。
あまりにも図太い面が、散見されます。
逆に鬼丸は、精神面での脆弱さが見えました。
年齢相応と言えばそうなのかもですが、精神を鍛錬する剣道家らしからぬ短気な面がありますよね。
幼稚な刃に乗せられて、我を失ってしまった彼は、ふじにも「サムライのやることか」と一喝されていました。
アニメ第3話のネタバレにもなりますが、雷神剣に飲まれなかった刃と風神剣に飲み込まれてしまった鬼丸という対比からも見て取れるように、精神面では刃に分があると見てよさそう。

精神力を持ち、しかし、剣の腕はまだまだ未熟な刃。
「殺気」ではなく「気配」を断つ心眼を鍛える訓練を積むなど、最終章での成長をこの頃から感じさせています。

一方の鬼丸は、剣の腕では刃を上回るものの、精神力では大きく引き離されています。
もし彼が剣士としての品格を身に着けたなら…。

剣の力に左右される能力バトル

ジャングルで培った身体能力を駆使して、何事にもめげない精神力と剣のパワーを最大限に発揮して数々の戦いを乗り越えていくことになる刃。
早い話が、「YAIBA」のバトルの主体は剣の能力。

より強い力を秘めた剣を手にした者が勝つ。

当時僕が勘違いしていた点が、まさにこれ。
刃が強いのではない。強くなっていくのではない。剣の腕が上達していくのではない。
刃が出会う魔剣が、どんどん強くなっていくのだ。

アニメ2話までと最終章「だけ」を抜き取ってみると、関連記事にも書いたような「最終章なのに敵が弱くないか」とは思えないような構成になっていたのですね。
この発見に至れたのは、個人的には収穫でした。

終わりに

前のアニメ版では描かれることのなかった「ピラミッド編」以降、最終章までをアニメ化して欲しいな。
そして、そして、エメラルドをアニメで見せてくれ~。
当時原作を読んでいて、惚れたんですよね。

彼女の登場が今から待ち遠しくてたまらない。

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